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青い月  作者: にゃろめ
15/22

Blue Moon


それは、あなたと私の秘密の言葉。

それは、あなたと私の合言葉。

見上げた空には金色の月。

私にはそれで十分。

指輪も、永久の誓いも、必要ない。

二人でいられるこの瞬間だけが、私の宝物。


 二人で歩くこの道。何度こうやってこの道をあるいたのだろう。

二人で手を繋いで、たあいのない話をしながら、他の恋人たちとなんら変わらない様子で。

真っ暗で、綺麗な満月ときらきらと散らばる星たちが見下ろす空の下。

また今日も私は大きな猫の隣で歩く。


「シキってさ、大きな猫みたいだよね。」


私の唐突な言葉に、彼は眉を真ん中に寄せ、あからさまに怪訝そうにこちらに顔を向けた。


「猫?」


何で?とつぶやく彼に私はなんとなく、とあいまいに答え、冷たい彼の指先を包むようにして私は手を握りなおした。


「この間、『我輩は猫である』っていう本を読んだときに、ふと思ったの。」


彼はそう、と小さくつぶやいたあと、しばらく黙り込んでしまった。

何を話しかけても、小さな相槌しか返してこない彼。

もしかして怒らせてしまった?と不安になり、なんだか私は落ち着かなくなった。

どうやって謝ろう、それだけが頭の中で一生懸命回っていた。


「月が、青いですね。」


数分後、突然口を開いた彼から発せられた言葉は、私の理解をはるかに超えたものだった。

横を見ると彼はまっすぐ前を向いたまま表情を見せない。

私は小さく首をかしげる。

月が青い?

私はそっと空に浮かんだ満月を見上げる。

あぁ、そうか。小さく笑う声が私の口から零れ落ちる。


「月、ね。青いよ。」


そっと彼のほうを向くと、彼も小さく微笑んで私のほうを見ていた。

どうして彼はこんなにも愛しいのだろう。

私はまた彼の手を握りなおした。

今だけは彼と離れてしまわないように。

今だけでも彼を見失わないように。

今宵、私の瞳には青い月しか映らない。



It will be on the blue moon that shines to the sky tonight.

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