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朝起きたら女の子になっていた話。

作者: 明日朝明日
掲載日:2025/11/04

朝起きたら女の子になっていた。女の子に変わっていた。

なぜかはわからない。なんでかどうしてか、まったくわからない。


鏡を見る。女の子だ。体を見る。女の子だ。

冗談じゃない。僕は女の子になどなりたくない。


しかし、今日は学校がある。休むわけにもいかない。


僕の姿を親が見たら驚くだろうな。

そう思っていると、母は「まあ、まだ学校に行っていなかったの? 早く支度しなさい」と言った。


あれ? 僕の姿がわかっている?


「お母さん、僕の姿、変じゃない? なぜか女の子になっているんだけど」


母はぽかんとして「なに寝ぼけたこと言っているの。あなたはもともと女じゃない」と言った。


まったくどういうことだ。意味がわからない。


父と妹が、僕らの声を聞いたのか、姿を見せた。

「何をやってる。朝ごはんを食べなさい」

「お姉ちゃん、早くしないとお母さんが怒るよ」


みんな何を言ってる? 僕は男だ。男のはずだ。

夢でも見ているのか?


しかし、お母さんに叩き出されて、学校に行くことになった。


教室に入る。さすがにおかしいと気づくはずだ。


親友に声をかける。

「なあ、僕、なぜか女の子になっていたんだけど、なんでかわかる?」


しかしそいつは言った。

「ええっと、どういうことだ? おまえ、もとから女の子じゃないか」


おかしい。世界がおかしい。いや、僕か? 僕がおかしいのか?


今日一日を通してわかったのは、僕はなぜか“生まれたときから女の子だった”ということになっていたという事実だった。


昔の写真、動画を見ても、なぜか女の子の姿の僕が写っている。



次の日。仕方がないので学校へ行くと、クラスがざわついた。


やっと僕の異常に気づいたか。そう思っていると、先生が声をかけた。


「おまえ、やっと学校へ来てくれたのか。不登校だったおまえが来てくれて、俺はうれしい」


心臓が寒気で震えて、どうにかなりそうだった。

僕が不登校に?


そう思って周りを見ると、みんなが僕を見ていた。

「あの子、不登校の子らしいよ」

「でも、学校に来れてよかったよね」

「うん、勇気を出したんだね」


そう聞こえて、この世界がとにかく狂っていると本気で思った。



そして次の日、朝食を食べようとすると、妹から小突かれた。

「お姉ちゃん、また仏壇に手を合わせてない。お母さんに怒られるよ」


仏壇? 何言ってる?


妹は部屋の隅を指さした。

そこには父の写真が立てられた仏壇があった。


呼吸が荒くなり、鼓動が聞こえるほどうるさくなっているのを感じる。


声を絞り出して「ねえ、お父さんはどこ?」と聞くと、妹は何てことない様子で言った。

「何言ってんの。お父さんは数年前に事故で死んだじゃん」


もう何もかも意味がわからない。


女の子になって、不登校になって、父さんは死んでいる。


いや、いや。おかしいのは僕ではないか?

たとえば思い込みとか妄想とかで、変になった心が元に戻ったんじゃないか?



そして次の日、僕は学校で知らない人と友達になっていた。

正確には、もとから友達だったらしい。


次の日には家の場所が変わっていて、しかもマンションになっていた。


世界が変わって、変わって、変わり続けて、

もう混乱を通り越して冷静になっていた。


そして次の日、学校へ行くと、机の上には花を挿した瓶が置いてあった。


何かのいたずらだろうか?


近くの生徒に聞くと、

「その子なら少し前に事故で亡くなったの。いい子で、私も好きだったんだけどね」


もう笑うしかない。


死んでる? 僕が? ここまできたか。


家に帰った。ここまできたら何が起ころうと驚かない。


そして玄関を開けると、






男の子の僕が立っていた。


「あなたは誰?」


彼は、そう言った。


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― 新着の感想 ―
怖いですね……。 幾つかの変遷を経て自分自身が別の自分に乗っ取られたのでしょうか? (´・ω・`) 女の子のとこで止まっていればまだ良かったのに……。 (。ŏ﹏ŏ)
落ち着く暇もない世界だ。゜(゜´Д`゜)゜。
 わけが解らず混乱するばかりの無秩序なホラー。  こんな因果の歪み続ける世界は正に悪夢でしょうね。  狂気に染まるか、深く考えず刹那的に生きるか、そんな二択に悩みそう。そうでもないと適応するのは難しそ…
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