88 仲間は協力し合うもの
「お前ら、俺と一緒に懸命に働こうか」
ギルドに入って職員さんに借金の額を聞いてみたのだが…
「まさか最初の十倍になっているとは… 約1300万ビットもどうやって返済するつもりなんですか?今の快晴の体をバラして売っても1000万ぐらいですよ」
「なんで俺がバラバラになる事前提なのかは分からないけどこれほとんどお前らが増やしていった借金だろ」
途端に駄目魔法使いが目を逸らす
「目を逸らしたって無駄だぞ。俺たちって仲間だよな?そんな俺たちが協力し合わないってのはおかしいと思うんだよ。だから二人とも一緒に…」
「…ちょっと待ちなさい。私は借金を増やしてないはずよ。何せ今日この世界に降りてきたのだから」
ふむ、確かにそれはそうだな…
「それは失礼、じゃあやまと、今度から一緒に頑張ろうな!」
「なんでえええええええですかあああああ痛いっ」
「お前が増やした借金だろ!?お前が協力しないでどうする」
「いやでも、そんなこと言ったらレフィとレイも…」
「レイはまだちっさい子供だろ。それにレフィはレイのことを一応守ってくれてはいるし、俺とロックは基本野宿だしミルは最近来たばっかだ。ここは借金を背負ってる俺と、その背負ってる荷物を重くしたお前が借金を返すべきじゃないのか?」
「…しょうがないですね。一緒に頑張りましょうね」
まだ不満そうなところが解せぬ。解せぬがここで何か言ってやっぱ返さないとか言われるのがいちばんめんどくさい
「もちろん」
…こういう少しでもまともな会話をしたのが久しぶりな気がする




