78 状況の話し合い
お互い発言がダブってしまった我等は、お互い何があったかを一から説明した
我からは碧眼に銀髪、そういった異常なまでの姿見の変化と魔物に対する絶対的優位性、この二つが発現したレイはおそらく王族の人間であり、スキル「覚醒」を有している事
やまとからは向野が拉致られた挙句、後頭部をとてつもなく速い何かが直撃したかと思えばよくわからない空間に消えていったと話されたのだが
「全く話の内容が掴めなかったのだが」
「そうなるのも無理はないですよね…正直に言うと私にも何が起きたのかさっぱりわからなくて…」
「もう少しわかりやすく話してはくれぬか?その、なんだ。わかっていない事が多すぎる」
「しょうがないですね…」
………ダメだ。コイツの語彙力は絶望的に低いのかもしれない。いや確定だ。やまとは語彙力が無さすぎる
今もずっと事の顛末を話してくれてはいるが全く意味がわからん。丁寧に説明してくれているのにごめんな、やまと…
「…と言った感じでカイセイだけが謎の空間に飲み込まれてしまったのです」
「…わかった。もう良い…」
「どうしたんですか?カイセイなら空間に飲み込まれただけなので何とか生きて帰ってきますよ。信じましょう」
「いや、そうでは」
「見てください!もう直ぐ街に着きますよ!」
…我って確か大魔族だよね?
こんな適当に返事を返された、と言うか、発言を遮られた事は初めてなのだが…
まぁ良い。その事をやまとに訴えるのは今起きているハプニングが全て解決してからにしよう
そうして我等は宿へと入った




