8 一番最初の魔法と能力発動の代償
俺なりに仮説を立ててみた。
先程俺は実験と称して《記憶を取り戻せ》と念じるも失敗した事、能力の行使した後にその相手へのダメージがデカイほど体への反動が大きかった事から
能力は1日に1度しか行使不可で能力を使う範囲によっては自分に代償が返ってくる
といった感じにまとめた
ただしこれはあくまで仮説であり俺が考えた事があっているという保証は無い。まぁここら辺は後日ちょっとずつ実験したりして確認しますか
「なぁ、今回のクエストで俺が何をしてこうなったのか、経緯を説明してくれないかな?」
「…えっ?」
「いや何、記憶を失っちゃったみたいでさ」
やまとがさらに泣き出した
「待てって!俺はほら!大丈夫だから、早く情報を教えてくれ。泣くなお願いだから」
俺は泣きじゃくるやまとから何とか情報を聞き出し、
無事…?にギルドへと帰って来れた
「やまと、この世界って銭湯とかないのか?」
「ありますよ。今はお金が無いので入れませんが」
こっちの世界も風呂に入るだけで金取るのかよクソったれ。明日の朝イチからクエスト終わらせて風呂に入ってやる。
そんな事考えながらギルドの受付のお姉さんにクエストが無事終了したことを伝え、手続きを行っている間にふと俺は気付いた
「おい、俺らって牛討伐したんだよな?つまり俺レベル上がってるってこと?」
俺魔法覚えてんじゃね?ってことに
そうだよ!そうだったよ!俺牛殺したんだった!
ヒャッハー!俺は最強だぁぁぁぁああ!!!!
「今回討伐したのは何の変哲もないただの牛なので、経験値は少なかったでしょうけど、多分上がってますよ」
その言葉を俺は聞くやいなや冒険者カードを手に取り、取得魔法一覧を見る
そこにはヒールとだけ書かれていた
ヒールてなんですか先輩。攻撃魔法じゃないとか白目むいでぶっ倒れますよ。能力に頼ってばっかだとほんとに何時か死ぬから早く攻撃魔法が欲しい。ホントに
「やまと、今取得魔法一覧を確認したんだけど、ヒールって何?」
「回復魔法ですよ。あなたは接近戦があんまり得意そうではありませんでしたし、このガタガタなパーティには持ってこいな魔法で良いじゃないですか!」
悪意のない褒め言葉が俺をぶっ刺してきてる気がする




