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最弱職だって勇者になりたい!  作者: うすしお
レイ編

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73.4 消えたカイセイ

しばらくおちょくって遊んでましたけど、流石に何十分も経過してしまうと飽きてきますね…



沈黙が1番怖いですね



「あの」

「急に喋るなびっくりするだろ!?」


「えっ…すみません」


まさかこの人がそんなに臆病だとは思いませんでした


「いやいい。それで俺に何のようだ?」


「今外では何が起こってるのですか?」


沈黙が続くとしんどいですし、何かと外の、カイセイの様子も気になりますからね


「今はお前が寝ていたところに付けた血糊をカイセイが見つけて驚いているな。おぉ、何か考え始めたぞ…」


「私が死んだように見せかけるなんて…暇なんですか?」


「断じて違う。これも作戦が上手く行くようにだ。おっ血糊が血糊であることに気付きやがったな…結構カイセイは頭が冴えた野郎だったんだな」


この短時間で見破ったのですか?カイセイが…?

正直最低でもあと2、3倍はかかると思ってましたが…カイセイへの評価を改めないといけない気がします


「よし。カイセイが血糊に気付いたぞ。作戦は最終段階に入った。行け」


「…今さっきからたまにひとりごとを話しますが何なのですか?寂しいのですか?会話相手ぐらいになら私だってなれますよ?舐めないでください」


「今さっきからちょこまかとうるさいぞ?別に独り言じゃないから俺のことは放っとけ…さぁ、そろそろ始まるぞ」


「何がですか?」


「決まってるだろ。カイセイの殺害だ。今日は特別に魔法でモニタリングしてやるよ」


「!?カイセイ…?カイセイ!!」


「無駄だよ。アイツの指示があるまではお前はこっち側に干渉できん。まぁ、許可が出されても干渉できるのは声までだかな」


「カイセイ!カイセッ……あれは…私?」


「ご名答。こっちには変身魔法が使える人がいるんでね」


そんなの無茶苦茶じゃないですか。でも、姿形が同じだけの私に対してすぐ違和感を感じてくれるはず…


「……あれぇ…!?」


「…やれ」


…?やれって…そう言うことですか!?


「声は聞こえるようにしてやったから好きに話していいぞ。これが最期だがな」


「カイセイ!!カイセイ!逃げてっ!」


早く逃げてくれないとカイセイが…というか何故彼はあんな驚いた顔をして…


「俺の魔法は対象にホログラムを見せる魔法だ。その時映すホログラムの姿はある程度変更できるぞ」


なるほどそういう…と言うかマズいです!カイセイ!!逃げてくださいよ早く!


「…あっ…」


何かに吸い込まれるかのように落ちてゆくカイセイ


「終わりだな。もうお前は用済みだ。もう離してやるから何処かで静かに暮らしておけ」


カイセイが…死んだ?


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