70 暢気にお茶会
「…我はお茶をするなどと一言も…」
「そーんな硬い事言わないの。ほら、お茶会してあげないとレイが泣いちゃうわよ…?」
…お茶会をしている暇など我にはないのだが
「いや、泣かれたらそれはそれで困るのだが、我にもやらなければいけない事があってだな…」
「固いこと言ってないでさっさと座ってくれないかしら」
「いや、だからな!?もうこの際包み隠さず言ってしまうが我の友人は占い師で、向野の身に危険が迫ると昨日告げて来たのだ!そんな事を聞いたら仲間として最低限は協力してやらないとダメ…」
無言で圧を送ってきても別に我は動じないぞ。お前のようなドラゴンごとき、我が…
「…今日は、ロックさんは参加できないのですか…?」
「…」
我にもやらなければいけない事があるのだが…やはり幼子に泣かれるのは困る
とか言ってお茶会をするのもレフィの圧に負けたみたいで癪だな。何か良い方法はないだろうか…
「…陽が落ちるまでには帰るぞ」
「やったっ!ロックさんも参加するんですね!」
…ふぅ、これで一旦よし。時間も短めに取ったし…
短め…?
…長命故の癖が出てしまった、我としては短めに取ったつもりだったのが我の一日の感覚と人間の一日の感覚は違うのだったな…失態だ
「しょうがない。一度言ってしまった以上、この話には乗ってやる。ただし、陽が落ちた後は自由に行動させてもらうぞ」
「ご自由にどうぞ」
コヤツ…自分から誘っておいてなんだその態度は…一度くらい殺しておいた方が良い気がするぞ
「ロックさーん!こっち手伝ってください!風でマットがうまく敷けません…」
そういえば今日はレイがいるのだったわ。やっと家族と言える仲間を手に入れたレイの前で、その仲間であるレフィを殺してしまったら我はおそらく相当な恨みを買うであろう。そんな事になったら後々呪い等になってめんどくさいのでやめておく
「分かった。少し待っとれ!…レフィ。今こんな事をしている場合では無いのはわかっているだろう?向野の命が危険に晒される可能性がある」
「分かってるわよ。大丈夫。快晴はそんな弱い人間じゃないわ」
だといいのだが…
「ロックさん!レフィさん!難しい話ばかり話さないで、楽しいお話いっぱいしてください!」
…幼いコイツに変な心配をかけさせてはいけない
そう判断した我は、今日だけ向野救出よりもお茶会を優先して行動することにした
調子が出ないですね…




