63 木の上で
「やまと、準備はいいか?」
「やっぱりやめましょうこんな無謀な事…聞いてますか!?下手したら私死にますよ!?」
「うるさいなぁ!お前は黙って俺に乗ってればいいんだよ!」
遡る事10分前…
木に登るという選択肢まで進めた俺たちだが、肝心の木の登り方がわからず立ち往生していた
「本当にどうやって登るんだよこれ」
一つ目の枝まで3メートルほどあるであろう巨大な木を身長が2メートルない俺らが登るなんて不可能な気しかしない
…いや待てよ?
「…木の登り方分かったかも」
「なら早くやってください。じゃないと本当に死にます」
「分かったようるさいなぁ…登り方は至って簡単。俺自身にセレブレーションをかけてお前をおぶって枝のところまで飛ぶ。終わり」
どうだ。一度に2人登れるし魔力の使用量も少なくて済む。やっぱり発想が我ながら天才…
「そんなことするぐらいなら私にもその魔法かけてくださいよ」
「!?」
いやだって、そんなことしたら俺の魔力負担が…
「早く!!はやくしてっ…うわっ!?何ですか?下ろしてください!離してください!」
もうコイツうるさいから担いで行くわ
「良し。やり方はわかったな?じゃあ俺が合図したら身構えろよ。枝に当たって死なれちゃ困るしな」
「何も良くないです!聞いてくだっ…くすぐるのやめっ…ひっ…」
そして、現在に至る
「…飛ぶからな?本当にいいんだな?」
「何で提案したカイセイがビビってるんですか!?私はもう覚悟決めましたよ?だから早く!」
…良し、跳ぼう
「行くぞ?行っちゃうからな?ハイッせーのっおらぁぁぁぁぁぁぁああ!!!?」
「ぅぁぁぁぁぁぁああ!!!」
…よし。木に登れたぞ
「やまと!おい!登れたぞ…登れたんだからそろそろ離れてくんないかな。腕が疲れるんだけど」
「腕が疲れるだなんて失礼ですよ。そんな事より腰が抜けて…今離されたら木から落ちます」
「…勝手に落ちとけ」
「やめてくださいよ!?」
細かく区切りすぎ感が否めない




