61 勇者とは
「えっいや…勇者って何だよ。何で異世界からの転生者が勇者の末裔になんかならなきゃいけないんだよ」
そう言うとやまとは俺のことを疑惑の目で見つめる
「カイセイって、ほんとに何も知らないんですね」
「悪かったな俺が世間知らずで」
こうしているうちにも着々と夜は近づいてきている。そろそろ野営の準備に移りたいんだが…
「しょうがないってやつです。そんな事より勇者の説明をしないと…」
こいつがうるさいったらありゃしない
何なんだよ。俺は別に勇者の家系でもなければ凄い能力を持った人間でもない。なのに何でコイツは異世界人だと知ってからこんな態度を…?
もしかしたら何か勘違いしてるんじゃないか?
そう思った俺は聞いてみることにした
「いや、そのだな?俺は別に勇者の家系で生まれたわけじゃないんだよ」
「でしょうね」
「お前今鼻で笑ったろ。一生覚えとくからな。いつかお前が泣いて叫ぶまで最悪な目に合わせ続けてやるよ」
コイツが俺のことを目に見える形でバカにしてきたのも解せぬがコイツって、俺が勇者の家系生まれじゃないと知っておきながら勇者の末裔って言ったんだよな?つまりどう言うことだよ
「この世界での勇者の末裔の定義とは」
「勇者が生まれた世界の人間であれば」
「やっぱこの世界終わってんな」
つまりアメリカで生まれようがロンドンで生まれようが勇者の末裔になっちゃうってこと?アホかよこの世界の人たちは
「ちなみに、その勇者の名前って?」
「神谷」
「日本人じゃん。同郷じゃんか」
一応外国籍な可能性もなくはないがもはやそれは日本人じゃん
「神谷様もそのニホ…?で生まれたんですか?」
「多分な。あといくら勇者だからって神谷に様付けするのはなんか負けた気がして嫌だからやめろ」
そう言うとやまとが俺のことを少し見つめた後笑って答える
「実際負けてるじゃないですか」
「俺グリフォン倒す気道中に落としてきちゃったわ。じゃあなやまと」
「待ってください!今回は別に私悪いことしてない気がしますが!!謝るから待ってください!」
朝起きたら髪の毛が破裂する瞬間の風船みたいになってました
追記 ハートフルな生活を求めて異世界放浪05は明日か明後日に投稿する予定です




