5 難癖有りのパーティメンバー
2回も日を跨ぎました
「誰もこねぇ!!!」
どうしよう。誰も来ない
滅茶苦茶ノリノリで待ってたんだよ。一昨日ギルドに着いてから今日の朝方まで
そろそろ俺の腹が限界です。死にます
ここのギルドはご飯も頼めるらしい。今さっきから料理を手に持った店員さんがあちこちを忙しく走り回っている
とっととクエストを受けてカードの分の借金を返済し終えて、さっさと次のクエストをやっておけば俺もあのような飯を食べる事ができたのに
俺には自分の都合のいいように確率とかを捻じ曲げれるバカげた能力があるから普通に倒せたのかも知れないのに
あぁぁあ腹が痛い。どうしよう。うわぁぁぁああ!!
そうして、俺がとうとうおかしくなり始めようとしたその時
「あの…掲示板でパーティの募集をしている方ってあなたで間違え無いですよね?」
幼げな表情が良く似合う。艶のある黒いロングヘアで翠色の瞳が特徴的な、上下一体型の青いショートスカートの上に黒いローブを着た、14〜15歳であろう女の子がこちらを不安げに覗いていた。
こういうのでいいんだよこう言うので!!
「いかにも、パーティ募集をしている方とは俺のことだな。
名前はなんて言うんだ?年齢は?」
「私の名前はやまとです。来月15になります。最近こちらに来たばっかりで仲間が誰も居ないので、あなたのパーティに入れてもらおうと思いまして」
こっちの世界ではその名前は珍しい方なのだろうか
とか思いながら俺は面接を始める
「なるほどなぁ。一応条件を付けていたはずなんだが、あの中のうち何が出来るんだ?」
「何も出来ません。」
「なめんな」
「えぇ!?」
相手がなんか勝手にショックを受けているが俺は確かに張り紙に入るための条件を書いたハズだぞ…?
ほらここに…
「…お前もしかしなくても張り紙に手加えただろ」
「根拠は?」
舐め腐ってますね。コイツ仲間に入れてあんな事やこんな事して態度を矯正してやろうかな
「お前ふざけてんじゃねーぞ!俺は条件を、おい。張り紙を破くな。やめろやめろやめろぉぉぉぉおお!!!」
この人酷い。なんなの?冷やかしに来てんの?ふざけんなよ
見てくれはすんごい綺麗なのにさぁ…
「私はあなたがここに来て貼り紙を貼ってから約2日間何も食べてないことぐらい知っているのですよ?今仲間に入れてくれたらご飯ぐらい奢ってあげてもいいのですよ?」
「よし良く言ってくれた!これからよろしくなやまと!
あの、店員さんすみません、この手羽先…?みたいなやつをお願いします」
なにやら俺が飯に釣られたようで不満だが、致し方ない
これも生きるためなのだ
死ななければ負けじゃないのだよ。既に1回死んでるけど
そんなこんなで俺は飯を頼みつつ、パーティメンバーを得ることに成功した




