45 暴力の権化
結局ロックと一緒にジャイアントベアーの討伐に行くことになってしまった
なんなんだよ。俺は女の子と一緒の部屋でほかほかしながらゴロゴロしていたいんだが
「なぁ、借金って返さないとどうなるんだ?」
「5年間返さなかった場合死刑だ」
「…そんな借金って重い事なのか…」
元いた世界でも流石に殺されるまではないだろう
何と言う鬼畜さなんだ。こっちの世界は
「ついでに教えてやろう。借金取りは基本的に熟練された元冒険者な事が殆どだぞ」
ひぇ…
「…ジャイアントベアーの討伐依頼受けて正解だったよ。ありがとうロック」
少しだけロックに感謝をしつつ、ジャイアントベアーが生息している森までこうして歩いてきたわけだが…
「何だよこの木の密度は!?」
死ぬほど森の密度が高え…
しかもそれだけじゃない。松みたいなチクチクした葉しかつけてないんだよコイツら
なんだろう。生物に対する酷い敵対心を感じる
「なぁロック、ここってどうやって入れば良いんだよ?死ぬほど痛そうな木が死ぬほどたくさん生えてるんだが…こんな密度渋谷でも見た事ないぞ」
「吹き飛ばせば良いではないか」
…は?
「何?つまりやまとの魔法みたいなバカ火力魔法をぶち込む必要があると?」
「そういうことだ」
そう言う事だってどう言うことですかロックさん
「まぁそこら辺は我がどうにかするので心配するな」
おぉ。何とも頼もしい
「我がメテオライトを数発ぶち込むので貴様は頑張ってジャイアントベアーを殺してこい」
他人任せかよくそったれ
まぁそんなもんだろうとは思ってたけどね
「わかった。ちなみにメテオライトってどんな魔法なんだ?」
「フレイム・メテオライトの劣化版」
そんな強力な魔法使ったら目の前の数個の木を焼くどころの話じゃなくなる気がするのですが
「馬鹿野郎!そんな事したらここあたり一面が吹き飛ぶぞ!?」
「我はあの小娘とは違って手加減ができるジェントルマンだから安心するが良い」
お前だから安心できないんだよ…
「今お前失礼な事考えたな?」
「考えていませんとも。ほら、出来るならさっさと目の前の木々を焼き尽くしてくれよ」
「わかっておるわ。では…メテオライト!メテオライト!メテオライトッ!!」
3個の魔力で作られた隕石が空から一直線上に落ちてきたお陰で森の中の開けた場所まで開けた道ができたわけだ
こんなチートが仲間にいて良いのだろうか…?
俺ってばまだ初心者冒険者だぞ?
「…お前って何でもありだよな」
「それほどでも」




