43 借金返済ライフTake2
「たのもー!」
そう言って宿の玄関をぶち開けるやまと
「お、おい…女子しかいない部屋を、男が部屋の前にいるのにいきなり開けるのはアレな気が…てか宿なんだからもっと丁寧に開けろよ」
部屋の中を覗くと案の定薄着のお二方がベッドに座っていた。ホクホクしてるしおそらく風呂上がりだろう。コーヒーは飲んでないみたいだが
「部屋のドアを開ける時はノックをした方が礼儀がいいわよ。それとお帰りなさい。快晴も無事にプリンツを取り押さえれたみたいね」
…あれぇー?
予想していた反応と全然違うのだが
「なぁなぁ、お前ら反応薄くね?薄着なんだから、俺が入ってきたことに危機感を持ってもいいんじゃ…」
「何で信頼してる人に対して危機感を覚えなきゃいけないのよ」
…とても申し訳なく感じてきた
そういう目で見てたのは俺だけだったって事か?
嘘だろ
「…そうか、それならいい。それでレフィ、こいつらの呪い解けてるか確認してくれないか?」
「確認するまでもないわよ。解けてるわ」
確認しようがない俺に対する嫌味かなんかかな
それともいきなりドアを開けられた腹いせかな
新しい嫌味だなクソッタレ
まぁ、解けてるなら良いか
「よし。それじゃ今からプリンツの拘束を解くぞ。お前もう俺らに関わってくるんじゃねーぞ」
「はい…わかりました」
「よろしい」
よし、それじゃ縄を解いて魔法を解いて…
「魔法ってどうやって解くんだ…?」
皆さんお願いですからそのゴミを見る目をやめてください
「彼女みたいな複雑極まりない魔法でなければ基本的にリリースと唱えたら解除できるはずよ」
ほうほう。それでは
「リリース…どうだ?解けたか?」
魔法を唱えると同時に縄を解いてやる
…普通になんで俺宿で拘束解いたんだろう
ゴミだからか。なら仕方ないか
そんな風に若干諦めつつプリンツを開放する
「…それでは、さようなら」
…あれ?めっちゃあっさり引き下がっていく
まぁ何かが起こるより良いか
俺はプリンツがとりあえず視界から消えるまでお見送りをしたので、レフィ達に今後について少し話しておかないといけないな
「…あいつが帰った事だし、明日になったら一緒に借金返済の為にギルド行くぞ」
「「…」」
…?
「「一緒に…?」」
みんなが驚いてるけど、どうしたんだろうか
「借金を増やしたお前らも、借金を返済する権利が生まれると思うんだ俺」
「…義務じゃないからやらなくても」
「良いわけねーだろクソッタレ」
俺らの借金返済ライフは、まだ始まったばかりだ
僕は生涯借金返済ライフなんて送りたくないです




