42 魔法は便利
結局俺の脅威的な魔法の前には抵抗は無駄だと察したのか、あの後すぐにプリンツは逃げるのをやめ、降伏することを認めたので、俺は手早く事前に用意していた縄で拘束する
「結局セレブレーション以外の覚えた魔法使う事なかったなぁ…」
そんな事をしみじみと呟きながら
「それじゃ、今から呪いを解いてもらうか」
俺は本題に移ったのだが
いきなりプリンツが勢いよく首を振ってきた
「どうしてだよ。また下着剥ぐぞ?せっかく取り戻した下着達を奪われても良いのか?」
そんな俺の発言に涙目になりながらプリンツが
「…私はあなたの仲間の女2人に呪いをかけた。それで、その呪いを解く為にはその呪いを受けた対象を最低でも1人、目の前に連れてこなければいけないの」
ははーん。つまり、やまとかレイを連れて来なければいけないわけだな。
それなら大丈夫。なぜならすぐそこにやまとはいるハズだから
「おーい。やまとー!そこら辺の茂みにいるんだろ?隠れてないで出てこいよ!」
…返事がない。よし、こうなったら実力行使だな
「出て来ないと俺が今使ったシージャーを使うぞ?お前もこの魔法の能力は見てい…」
「私はここにいます!いますから!」
アホめ、魔法なんてお前が見えないと使えないに決まってるじゃないか
「プリンツ、お前が呪いをかけた本人も出てきたんだし、やまととレイの呪いをとっとと解除してくれよ」
「…わかりました」
プリンツがやまと達の呪いを解除している間、無言タイムが長々と続く気配がしたので冗談を投下しておく
「よく考えれば俺って魔力さえあれば好きなだけ女の子の色んなものを取れるわけだろ?最高じゃねーか」
そんな冗談を聞いて俺を殴るやまとと間に受けてビクッとするプリンツ
「なんて事言い出すのですか?カイセイは私たちの呪いを解く為に頑張ってくれてたんですよね?まさか下着の為だなんて言い始めませんよね…?」
「もちろん下着の為だ」
「…」
おっと、俺をそんな軽蔑するような目で見ないでくれ。俺だって人なんだからな
「おいおい、ただの冗談をそんな蔑んだ目で受け流すなよ。第一この魔法を習得したのはこの決闘を受けて戦闘していたからに他ならないんだぞ?」
「ぐぬぬ…たしかに、それはそうですね」
「何でお前悔しそうなの?」
空気を読まずツッコんでしまった
いや、この馬鹿な会話のおかげで空気が和んだと考えれば、俺ってむしろファインプレーをしたと言えるのではなかろうか
そもそも空気を読む為に冗談を言ったのだから、今のだってノーカンに決まってる
「解除できました。できましたので、どうかこの縄と魔法制限の魔法を解いてくれませんか?」
お、解けたのか。だがまだ拘束は解けないな
「それはまだ無理だ、レフィが解けていると断定するまでお前はそのまま拘束しておくからな。ほら、わかったら今からレフィの元に行くぞ、それで、レフィ達は今どこにいるんだ?」
「もう日が沈み始めてるので、宿でコーヒーを飲みながら雑談していると思いますよ」
「俺の借金を加算する形で飲むコーヒーはさぞ美味かろう。よし、今度からお前らも借金返済に手を回せよな」
「…反対はしません」
正直でよろしい
「よし、お前ら。レフィの元へ今すぐ出発だ!」
こうして俺とプリンツの決闘は幕を下ろした
肩が痛い




