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最弱職だって勇者になりたい!  作者: うすしお
レイ編

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36 天才肌

やまととレイの呪いを解くために俺は決闘を受け、決闘で戦えるようにロックを連れて俺はいつもの草原に来ていた


「なぁロック。多分1時間ぐらい型の形を練習してるけどさ、この型ってほんとに意味あんの?」


ロックの静動殺法は色々と型があるらしく、それを覚えるために草原に来た時からずっとその練習をしているのだが、なんかどれも微妙な型で絶妙に覚えにくい。まぁ静動殺法とかいうどっちつかずな名前してるんだから仕方がないか


「大丈夫だ。次の型を覚えれば後はその形にそって相手を受け流したり殴ったりできる。もう少しの辛抱なので頑張るが良い」


一般常識だとそこが1番難しいって言われると思うんだが

こいつ自体がイレギュラーだからそれすら気付けないのか

可哀想に…


「次はこうだ。こう…拳を構えて、体を防御する腕と攻撃する腕に分けて、重心を下に落とすんだ。我がやるからよく見ていろ」


ロックの指導フル無視でレベル上げに行った方が良い気がしてきた。まぁ一応最後まで受ける気ではあるけどね


「おぉ、こんな感じか…?」


「そうだ。それで良い。お前は物分りが良くていいな。遠い昔に我が他人に教えた時はこんなスルッと次のステップに行かなかったぞ」


なんとロックが褒めてくれた。


「ちなみにそいつはここまで覚えるのに何時間ぐらいかかったんだ?」


「1ヶ月」


1ヶ月かぁ……

1ヶ月…?


「お前嘘ついてる?」


「こんなしょうもない嘘ついて何になる」


そりゃそうだ。つまり俺はめちゃくちゃ天才だったって事?

1日で全部覚えちゃったもんね…?いややっぱりこっちに来てから自分の底力か何かがグギギッて上がった気がしたんだよね。つまるところ…


「つまり俺は天才ってこと?」


「人間の中ではな」


人間という枠組みの中では天才だって。どう喜べばいいかわからん


「まぁお前がたまたま武闘派だっただけだろう。知能は平均ぐらいだと思うぞ。あまり褒めたからと言って調子に乗ると痛い目を見るから気をつけた方がいいな。フフ…」


…上げてから下げるスタイルの人嫌いだわ


「そうかよ。今思ったんだけどお前の笑い方気持ちわりーよな!勝手に言っとけバーカ」


「馬鹿とはなんだ…気持ち悪いとはなんだ貴様!我は魔族で貴様より生きている時間の桁が勿論違うので知識量も勿論桁が違うのだぞ」


…何を勘違いしてんだ?こいつは


「行動が馬鹿だって言ってんだよ」

「ぶっ殺す」


「あぁぁぁぁぁぁぁぁあああやめろ!太腿は死ぬ!死ぬから蹴るな痛い痛い痛い!!ほんとに死ぬって!!?」


「…ふぅ。気も晴れた事だし、そろそろ夕飯の準備をするか」


「…飯?そういや飯どうするんだよ」


「この前我が生み出した小麦魚の事を覚えているか?」


俺を殺したやつのことだろ?


「勿論覚え……まさかそんな事…しない…よな?」


「今日の夕飯は小麦魚の塩焼きだ!」

「嘘だと言ってくれアレすごい臭かっただろ!!?!?食うのなんて無理だぞ!」


「食えないと思っているから食えんのだ。鼻さえつまめば味は分からぬ。自分は食べれると信じるのだ」


鼻をつまむジェスチャーをしながらそんな迷言を堂々と言われてもなぁ…臭いもんは臭いんだよ…でもなぁ、腹が減っては戦ができぬって言うし…


「…あぁぁ嫌だなぁぁぁあああ!?」


「よくぞ言った!よし、今から焼くので楽しみにしておるがいい」


こうして俺の貴重な1日目は終わりを迎えた

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