32 日常
俺たちがレフィの森を出発してから1時間程経った今
俺は熱中症で死にかけホヤホヤになっていた
「なぁお前ら。この世界はどうなってんの?朝から昼にかけてやんわり暖かくなったかなって思ったらいきなり暑くなって、夜になったら急激に冷え込んでくるのがムカつくんだけど。あぁ頭痛い…」
「そうカッカするな。この世界はお前のいた世界とは少し違ってだな。まず、この世には精霊がいる。その精霊は属性によって種類と生息地域、適正温度が変わってくるわけだ。ここからが本題なのだが…」
あぁヤバい。ロックがせっかく説明してくれてるのに、意識が飛びかけてて話が全く聞き取れん…
「…………………だから…陽の………に生……てい…………」
「…貴方の具合が悪いのは熱中症じゃないと思うわよ。あなたヤマビルに足噛まれてるもの。重度の貧血ね」
んん…?それって、血が足りなくなるってことですよね…?
頭がクラクラして意識が朦朧としてきた理由は血が足りないからか。なるほどやばい
「んぇ…?血…?どうにかなんねぃの?」
あれ、呂律が死んできた。
「…いっぱいヒールかけたらマシにはなるぞ」
おぁ!ロックさんありがとぅ
「…ひぃーる、!ひーる!ヒール、ヒール!ヒールッ!」
すごい。ホントにすごくマシになった
ホントにマシになっただけだがまぁ活動ができるようになっただけ良いか
「…ありがとう。ある程度マシになったよ…こっちの世界のヤマビルはめっちゃ血を吸うんだな。うわ…めっちゃ肥大してんじゃん…俺の赤血球ちゃん達が可哀想…」
「ほら意味わからんこと言ってないでとっとと進むぞ」
別にふざけているつもりは無いのだが
「てか結局レフィも着いてくることになったけど、お前どうすんの?」
「どうするの?とは一体…?」
「いや、ロックが仲間になった時はその時のメンバーがやまとと俺しかいなかったからすんなり仲間になれたんだけどさ?お前が仲間になるにしろならないにしろ「洗脳されてたドラゴン助けたら一緒にご飯を食べる仲になりました」とか言っても何言ってんだこいつってなって信じないだろ?」
「確かに」
「そこで俺は考えたんだよ。レフィは俺の親戚だと嘘を着けばいいんだよ。賢いだろ?」
変な誤解を招く事を防ぐためにも俺は最初からこういった事をしっかりと考えていたのだよ。やっぱり俺って賢い…
「賢いかどうかは別にしてその案良いわね」
俺賢いって意見は飛ばされましたけどレフィ親戚設定案は採用されました。
いくら相手がドラゴンだとは言え、見てくれが綺麗な女性にこう辛辣に言われたらなんか悲しくなるよね
「じゃあその方針で…おっ、もう街が見えてきたな。話してたら意外とアッサリだったなー。まぁあと2時間はかかるだろうけどさ」
なんで行きより帰りの方が時間の流れが早く感じるんだろう
「さぁ、ギルドに行って懸賞金奪取してお前らとパーッとやってやまと達に今回の旅のことを自慢するぞ!!」
食後の片付けが面倒臭いので外食が好きです




