29 真の敵
「…この腹痛慣れてきたので鎮痛剤は後でいいです。こんにちは、ドラゴン様…?さん…?」
「私の名前はレフィです。私の事は名前で呼んで構いません。なので、様付けなどはやめて頂きたくてよ?」
そう言ってドラゴンの姿からアッサリと人の姿に変化するレフィ。出る所が出ていて少し露出大きめのドレスが似合っていてとても魅力的…なのだが、正直それどころじゃない
「おいおい何でもありかよ…」
レフィ…?女性なのだろうか?
ドラゴン以外の何者でもないだろうけど、何者なんだろう
「ならお言葉に甘えて。レフィさん、貴方はなんで洗脳をされていたのでしょう。そして、俺たちを狙ってきたのでしょうか?」
俺の質問にレフィは少し困ったような仕草をし
「それが、全身が黒いローブで覆われた魔女と戦闘をしたところから記憶がすっぽり抜け落ちているのです」
サラッと重要な事言ったよね
絶対そいつが黒幕だろ。このドラゴンも鈍感だよなぁ…
「多分それ、その魔女が黒幕だと思うよ。だってレフィとその魔女は戦闘してたらしいし、その時からの記憶がないらしいし」
「「確かに…」」
ロックまで一緒に納得してどうするんだ
お前はもうちょい敏感なこっち側の人間…魔族だと思ってたのに
「その特徴を持った魔王の幹部なら我知ってるぞ」
「えっ?お前知り合いなの?」
予想通りではあったがやっぱり驚きだよなぁ…
だってこいつも元は魔王の幹部だったもんな
「そいつはそこまで戦闘能力は高くないのだがな…他人を制御する事と魔法の技量に関しては魔王軍でも群を抜いておったわ」
そんなヤバいやつなんですか…
「それって洗脳を解いたから俺たちの所に向かってくるって事が有り得るって事か?」
「ありえない訳が無い。100パーこっちに向かって来ているだろうな」
つまり戦闘は避けられないってことですね
勝てる気しないし、こいつら見捨てて全力で逃げようかな
「もし戦闘になった場合、私が援護するから安心なさいな」
それ1番安心出来ないわ
「…その疑惑の目はやめて頂戴。1度使われた魔法はドラゴンには2度も通用しないのよ。レジストするから」
レジストとは抵抗魔法の事だろう。俺もいつか覚えたい
てかそんな便利な魔法あるなら最初から使えよと言いかけた言葉を直前で飲み込む
「まぁ、そしたらこっちに向かってくる幹部を俺たちでボッコボコにするぞ!」
「「うぉぉぉおおお!!」」




