3 最弱職確定演出
魔法陣で囲まれるうちに眩い光で自分の周りが徐々に覆われ
目を開けると目の前にはとてつもなく大きな城を中心に持つ
巨大な街が広がっていた。
空には雲ひとつなく頭上では太陽がこれでもかと輝いている
やばい。女神様の名前聞くの忘れてた
女神が名前を最初に名乗らないのもどうかと思うがやばいな
まぁいいか。どうせ神様なんだから宗教とかあるだろ
教会にでも言って名前を聞けばいい。
俺が今着ているのは某RPGでの初期装備のような服
今の俺は一文無しで武器もないのでこのまま戦闘でもしようものなら一瞬で死んでしまいそうだ
このままだとさすがにマズイのでお金集めとかそういうのをする為にギルドを目指して街に入っていく
予想していたものよりはるかに治安が良さそうだ。
みんな笑いあっているし何より騒がしい。
元気なことはいいことだしな。
そんなことを考えているうちに俺は気付いてしまった
「俺、ギルドの場所知らねーじゃんか!!!」
どうしよう。そこのおばちゃんに聞いてみるか
「あの、すみません。この街にギルドってありますかね…?」
「アンタ、駆け出しの冒険者かい?ギルドならそこの道を真っ直ぐ行って突き当たりを右だよ。駆け出しなら冒険者カードを発行してもらわないとね」
おぉ、とても親切でわかりやすい
俺はやたら駆け出し駆け出しうるさいおばちゃんに感謝を述べたあと、その指示通りに道を歩いて行く
そうして間もなくギルドだと思しき建物にたどり着いた
俺は扉を開けると割と静かなギルド内に俺は少しだけホッとし、おそらく受付であろう所に向かった
「すみません。冒険者カード?を発行したいんですけど」
「あら?その服装は…駆け出しの冒険者ですね?
冒険者カード発行なら500ビットからですね。」
やはりここは受付で間違いなかったようだ。しかし受付のお姉さんが親切に発行を勧めてくれたのはとても嬉しかったのだが、この世界に来たばかりの俺からしたらお金の単位なんて知らないわけで…
「あ、あの。大変申し上げにくいのですが、お金を持ち合わせていなくてですね…?最初のクエストの報酬は要らないので!発行してくれませんか?頼みます!」
「はい。分かりました。ではここに手を」
…あれっ!?
すんなり通っちゃったけど何でだろう
あっこれ俺が貰ったチート能力か!忘れてた!
てかなんか目眩がするんだけど、何なんだろう。
現実味がないからかなぁ…
目眩に見舞われつつ言われるがままに手をかざし、名前と歳を聞かれたので向野快晴17歳ですって答えたら変な名前ですねって言われ、受付の方が変なゴワゴワした機械をカタカタし始めて数分。俺の目の前に1枚のカードが出てきた
「そちらを手に取ってみてください。カイセイさんが最初になる事の出来る職業が映されるはずです。」
受付のお姉さんの言う通りにカードを手に取った後、なんとも形容しがたいディスプレイを覗くと[適正職業 魔法戦士]と映されていた
コレ、もしかしなくても上級職のお強いヤツですよね
「…その職業は名前に戦士と着く割には戦闘は強くなく、魔法と名前に着く割には魔法の使える範囲が狭い、正直あんまり強くはない職業なんですけど…あっそんな露骨に落ち込まないでください!魔法と剣が使えるって言う利点があるじゃないですか!顔を上げてください!」
弱いヤツでした




