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最弱職だって勇者になりたい!  作者: うすしお
レイ編

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28 チートの酷使

ドラゴンとロックが睨み合う膠着状態が続く中、ロックがドラゴンに語りかけた


「スカイドラゴンよ。貴様もある程度歳を重ねてきたのだから対話ぐらい可能であろう?我は一応魔族の中でも上位の位置に君臨する者であるので貴様を無意味に攻撃するほど無知ではないのだが…反応は無し…か」


どうしたんだろう。今さっきロックが言ってた古代種?ってのは会話が可能なレベルで知能が高いのが普通なのだろうか?


「どうしたんだ?ロック。古代種ってのは会話が可能なレベルで知能が高いのか?」


今思ったことをそのままロックに聞いてみる

するとロックが


「そうだな、我が数万年前にドラゴンと会話した時そいつは古中種だった。今そのドラゴンがどうなっているかは知らないがな」


…数万年前?

あまりにも昔過ぎてイメージが付きにくいな

まぁそれはどうでもいい。


「なんでこいつは古代種なのに会話ができないんだ?封印されてたから今まで知能を上げる機会がなかったとか…?」


「いや、それはない。基本的にドラゴンを封印して良いのは王族のみで、その昔王族が封印したドラゴンはまだ封印されているハズだからな…となるとこいつは洗脳されているのか…」


洗脳…?

それって絶対ヤバいやつじゃん。それこそロックみたいな魔王幹部がやるような…

…もしかしてそういう事か?

もしそうだとしたらこいつの洗脳を解いてこのドラゴンに詳しい事を聞いてみるのもありかもな


「なぁロック、俺が持ってるチートを使ってこいつの洗脳解いてみようぜ」


「…?」


イマイチロックが意図を理解できてないようなので、もういっその事無視して勝手に洗脳を解いてみることにした


《洗脳解除!》


これ以上言葉を付け足すと変なことになりそうなのでシンプルにまとめる


するとどうだ。ドラゴンの目が赤色から澄んだ碧色に変わり、威嚇するかのように広げていた翼を下ろしたではないか!


そして俺の記憶は吹っ飛んで…ない…?

いや、そりゃ記憶が吹っ飛ぶと確定した訳では無いからそりゃ当たり前っちゃ当たり前なのだが、体の欠損も無いように感じる。そんなことを考えていた時


耳元で


「貴方には1週間腹痛で苦しむデバフを授けますっ!」


女神様の声が聞こえた

おそらく聞こえたのは俺だけだと思うが、

女神様ってこっちの世界に思念を飛ばせるんですね

てか腹痛って…


「痛あぁぁぁああっ!?」


……やばい。コレ腹痛どころの騒ぎじゃない。この前の小麦魚の劣化版並みの痛さだ。やばい死ぬ…


「何をグダっとしておるのだ!洗脳を解いたのであろう?ほら、ドラゴンに問いかけてみるぞ!」


そうなんだけど…あ゛ぁ゛ぁ゛…


「あの…ドラゴンさん…腹痛を抑える鎮痛剤とかありませんか…?」


「たわけが!変なことを聞くでない!」


ロックに怒られた




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