26 2度目のクエスト
俺は颯爽と草原を駆け抜け瞬く間にギルドに到着した
ギルドに入るとそこはいつも通りの風景
意味もなくベンチに座っている奴もいれば、昼から酒を飲んでぶっ倒れてる奴もいる。ギルドでクエストをやってるやつと酒飲んでるやつの人数は半々ぐらいだな
「お姉さん。今割と稼ぎの大きい楽な仕事ってない?まぁ最悪稼ぎが良ければなんでもいいんだけどさ」
「もうそろそろお姉さんはやめてください。名前はセシリーです。クエストですね?少々お待ちください…」
そう言ってお姉さん改めセシリーさんは受付の奥に行ってしまった
…セシリーって女性と男性どっちに付けられる場合が多い名前なのかな
そんなくだらない事を考えていると。
「おい向野。たった今我が外界から帰還したぞ」
「いきなり話しかけてくんな心臓に悪いだろ」
ロックが帰ってきた
喋り方のおかげでロックだとすぐに分かったがなんと顔つきが少し変わっていた。それにプラスしてロックの今の服装はこの前来ていた貴族のような服装とは違い、地球で使われていたスーツをビシッと着こなしている
そして片手にはkar98k
カッコイイなぁ…!
「…向野よ。こんなガラクタな骨董品で何をしようというのだ?正直こんなものは使える気がしな…」
「それ以上言うんじゃねー!俺は別に実用性なんて求めてない。ロマンだ。ロマンがあるからそいつを使うんだよ!!」
「そうか。それはすまなかったな!」
俺の熱量に押し負けたらしくロックが謝ってきた
謝る気はゼロな気がしますけど
「ささ、その銃を俺にくれ!」
「おう。お前の所望した銃だぞ」
そう言って渡された憧れのボルトアクション方式のライフル銃。このボルトを動かして装填するのがなんとも言えない素晴らしさ…あれ?
「なぁロック、弾なんか持ってたりしないか…?」
「んなもの持っているわけなかろうて。我は一つだけ渡してやると貴様に最初にしっかりと言ったぞ?」
「んなぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
…弾がないだなんてそれただの重い杖じゃないすか
まぁ弾がなくてもカッコイイから良いんですけどね
「…ロック、俺は今から借金を返すためにクエストを受けるんだ。それの手伝いをしてくれないか?今受付のセシリーさんがクエストを持ってきてくれるから」
「それは良いが…貴様借金したのか?大魔族とあの優秀な魔術士を仲間に置いていながら?ふざけているのか貴様は」
それからブチ切れたロックに事情を説明するのに20分
ロックに説明をしていたせいでセシリーさんが会話に入ってこれず、1度置き直しに行ってしまい、それをまた取ってきてもらうのに待った時間で10分
合計で30分も無駄に費やしてしまった
「今日出ているクエストは報酬こそ多いのですが…難易度が高くてですね…?今の状態のカイセイ様には厳しいかと…」
「ん?どれ、見せてくれ………なんだ。ただのドラゴンではないか。ほれ、さっさと討伐して借金を返すぞ向野」
「大丈夫なのか?ドラゴンって絶対やばいだろ」
「そうです。いくら新メンバーの貴方が強いとは言え、流石にドラゴン相手は厳しいのでは…?相手はB+ランクですよ?」
「我が大丈夫で無かったら行こうなどと言わぬわ!ほれ、早く行った行った!」
そのまま勢いに呑まれ、俺はこっちに来て十数日しか経っていないというのにB+と言うかなり上のランクのドラゴンを倒しに行く羽目になった
異世界系で現代的な武器が出てくるのってどうなんですかね(




