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最弱職だって勇者になりたい!  作者: うすしお
冒険章

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21 この世界にカムバック!

薄れていく意識と反比例して戻ってくる体の感覚

生きていける事への素晴らしさを改めて感じながら

この理不尽な世界に怒りと感謝を覚えながら意識を失った


それから何分。何時間経ったのだろうか

まだ体を動かせるほどには回復していないが、意識が戻ってきた、のだがやけに周りが騒がしい

やまととロックが言い合いでもしているのだろうか?

そこで俺は閃いた

…まだ気が付いてないフリをして会話を盗み聞きしたら普段は聞けないような本音も聞けるんじゃね?


『カイセイが意識を取り戻したら、労わってあげましょうね…鳩尾当たりがすっぽりなくなって、多分精神的にも肉体的にも限界です…』


『そうだな、今回は我も急ぎ過ぎた。なにせこの世に存在してはいけないようなイレギュラーな存在が生まれてしまったのだからな』


『私に、本当に今できることは何もないのですか?』


『だから無いと何度も言っているだろう?変に体をいじくって向野がポックリ逝こうものなら次回蘇生させる時の成功確率がグンと下がるぞ?』


『…どういう意味ですか?』


『そのままの意味だ。蘇生をする度に次の蘇生の時の成功率が半分ずつ下がっていく。蘇生も万能ではないことを脳の片隅にでも入れておくんだな。それと蘇生というのは成功してもその体の主の魂が無事に宿らず、アンデッドする例も少なくない、禁忌の呪法なのだ。この魔法は魔族のかなり上の者しか扱えない高等術式であるので、お前ら人間が扱えるものではないことをよく覚えておけ』


完全な0%になる事は無いって事か

当分は死にたくもないし蘇生されたくもないなぁ…


『分かりました。それにしてもカイセイがまだ起きてきませんね…』


『…我も生き返らせるのは初めてだ。成功しているか分からん。体は何とか治ったようだが、死んだ時のショックで精神がやられているかもしれん…』


『なんて事言うんですか!縁起でもない』


そう言って泣き出すやまと

俺が起きてこないことにどうしたものかと唸るロック


…やばい

今になって罪悪感がものすごくせりあがってきた


いや、どうてことはないな。

今生き返った感じにすればいいんだから


体の調子も随分治ってきたようだし、そろそろ起き上がるか


「ん…俺は無事に生き返る事が出来たのか…?」


それっぽい事を言いつつ起き上がろうとして

前のめりに倒れた


「あぁっ!?」

「おい向野!蘇生後1日は安静にしないと、魂と体が別れてしまうぞ!?」


「…それをもうちょい早く言って欲しかったかな」


「まぁ、こうして生き返れたのも幸運だったな、蘇生と言っても、直ぐに終わる術式でもなく成功率が高いものでも無いのだぞ?それをしっかりと覚えておくように」


えっ?

今術式が直ぐに終わるものじゃないって言ってたよね


「…その術式ってどれぐらいかけて行うものなの?てか俺が死んでからどれぐらい経ったんだ?」


「術式は半日間ずっと集中して魔力を込めながら詠唱する必要がある。死ぬほど辛いぞ。それと、お前が死んでから既に2日間が経過しているな」


そんなに!?てかそんな時間が経ってたならわざわざ野宿しなくても家を展開すればいいじゃないか…


「なぁ、俺が死んでから二日経ったって事だったが、家は展開してないのか?」


ロックは俺のために色々して魔力が無くなってそうだった。

なので俺は魔力が残っていそうな未だ泣き続けているやまとにそう聞く


「…魔力は……あなた達を守るために戦闘したりぃ…見張りをっしているうちに…無くなりましたぁ…」


「…そうだったのか。なんか悪い事聞いたな」


「いえ…あなたが生き返ってきてくれただけで今は十分です」


「そうか………あれ?そういや俺をぶち殺した小麦魚は?」


「お前と一緒に死んだぞ」


それって…


「この賭け、俺の勝ちと言うことで!!」


賭けに勝って勝負で負ける散々な結果だったが

終わりよければすべてよし!って奴だな!

休日

心が生き返るようです

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