第118話 猛暑、襲来
俺たちが帰路についてから一つ気付いたことがある
「暑くて死にそうなんだが…?」
そう。今日の気温が明日から寒波が来るとは思えないほどの猛暑であったという事だ
何というか…日本以上の空気の重さを感じる
「…もうダメです。カイセイ、ロック。今までありがとうございま…」
「早まるんじゃねえよ!!」
あれか?この世界は一度上げてから一気に下げるのが好きなのか?物理的に
だとしたら相当なへんた…変わり者だなぁ
「なぁロック、寒波が来る前の日ってこんなに暑いものなのか?」
「数十年に一回ペースでこういう日もあるな。それに明日の寒波予想が外れてる可能性だって十分にあるわけだ」
なんだよ?魔法が使えるくせに予報外したりするのか?そりゃまた随分となめてますね
まぁ、明日の事だから別に今急いで知る必要なんてないか。
「ま、予想が外れるなんて事があったらその予報士はクビだからな。予報士は毎日が張り詰めてると聞くぞ」
つまり必死でやってる彼らは間違いなんてほぼ起こしません…って事か
…この世界はなんでこう、0か100かしかないのだろうか
「そういえばさ、俺たちがいた方の街ではゾロ目の日とか言ってお祭り騒ぎだったけど、そっちではどうだったんだ?」
「同じく。今も街の大通りで住民どもが騒いでおるであろうな」
「…露骨に帰りたくなさそうな顔しないでください。いいんですか?カイセイが女…」
「になったら死ぬから急いで行こう。うん」
いやぁ、それにしても俺の精神力も上がったもんだ。俺の息子の最大の危機だってのに心情とっても穏やかだ。なんか、もうそのまま受け入れてしまいそうな……受け入れてしまいそう…????
何言ってんだ俺は
「…やばい、多分精神的に女体化が進行してきてる。急いで行かないとマジのマジで大変なことになりそうなんだが」
「もう十分大変なことになってますよ!」
「そうだな。何処かの誰かが向野を女体化させたばっかりに…」
「「お前が原因だろ」」
もう終わりじゃんか、このパーティ
「…俺、無事帰れたらロックのことぶっ飛ばすんだ」
「フラグを自ら立てないでくださいよ!!…ロックも笑ってないで謝ったらどうですか?というか何で私がこんなこと言わないといけないんですか!?」
結局二人でやまとに謝りました




