106 出発後の彼女たち
「それで、やまと達を見送ったのは良いのだが…我は貴様らをどうすれば良いのか説明して欲しいな」
「そんなこと私達本人に聞いてどうするのよ」
私は女神ミル。何故か女神という神職から降ろされ地上に落とされた可哀想な女神よ。
でも、今はもうそれどころじゃないわ
何故かと言うと…
「貴様らは向野の借金に上乗せするという最悪な形で宿泊料を払い宿に泊まってただろう?その上乗せ相手がいない今貴様らは寝る場所がないわけだ」
完璧で穢れなき女神である私が野宿するという可能性が出てきたのよ。コレは由々しき事態…なんだけど、何と言うか、その…そもそも快晴の借金に上乗せする形で宿に泊まるっていう考えがおかしいと思うのだけれどそう考えたのは私だけなのかしら
「確か向野は簡易ハウス的なものを持っているが使う機会がお前のせいで無くなったとかなんとか我に愚痴っておったから簡易ハウスがあるのだろう」
「良いですね。なんか楽しそう…」
レイちゃんが簡易ハウス?に興味を持ち始めたわ。私も少し気になるんだけど…
「ねぇねぇロックさん」
「何だ?偽女神よ」
…この魔族は何を言っているのかしら。私は本物よ?今はたまたま堕天しているだけでね
「偽女神どうのって話はどうでもいいわ。簡易ハウスを展開してみて欲しいの」
「何だそんなことか。なら草原の方へ行くぞ。レイ、ミル」
……あの、ロックさん。全員着いてきてるんですけど…私は少人数で伸びやかに見学したかったんですけど




