102 地獄
ついに始まってしまった俺たちの仕事は、まさに地獄と言うのが相応しいほどに劣悪な環境だった
まずトイレ。壁に穴が空いてるからここ使うぐらいならギルド行きましょうってレベル。ほぼ野糞だろこれ
次にプール全体だが…こちらはトイレよりも酷い。所々に虫食い?や鯖などで穴が空き、所々に薄く溜まっている水の周りにはよくわからない虫がウヨウヨしている。カビや苔もプールの部屋の隅っこに大量に育っている。見てられない。正直言ってこの時点でもう帰りたくなったかな
そして最後に人員の少なさだな。まぁこれは俺たちしか申し込みがなかった以上どうしようもないのだが、人が居なさすぎるせいで全く掃除が終わらん。ダメだ本当に地獄だろここ
「…てかさぁ!?コレ俺たちみたいな素人が直せるものなのかよ!?」
「うわああああああああああ!?!?」
「おいやまとお前急に驚くんじゃねーよ心臓に悪いだろ」
「…」
「急に静かになるんじゃねーよ!」
…ダメだ。こんな懐かしいやり取りしてたら掃除が終わるより先に日が暮れて服が透け透けになってしまう。それだけは絶対に阻止せねば
「…私は、カビとか虫とかの気持ち悪い物はある程度耐えれると思ってたのですが…これは…」
わかるよ。言いたいことが手に取るようにわかる。
多分コイツ俺と同じこと考えてるよ。
「…トイレ行ってきていいですか?あの…吐きそうで…」
「ほらな!…あのさ、俺も吐きそうなんだよね…なぁ聞いてるか?おい!やまとお前トイレに篭るんじゃねえふざけんっ…」
何かが胸から込み上げ、最終的に…
やまとは吐かなかったわ
なら俺を最初に入れやがれクソッタレ
「…掃除する場所が増えたぞやまと。喜べ。そして絶望しろ。俺が吐いたのはお前が今籠っているトイレのドアの目の前だ。胃酸の匂いと出ようとしても出られない悲しさにせいぜい悩むといい」
「ちょっと待ってください。吐いたのはしょうがないですが、今回は私本当に何もしてませんよ!?私だって気持ち悪かったんですから!……わかったら吐瀉物片付けてくれませんか…?このままだお私の服に匂いがついてしまいますから…!」
なにやらやまとが俺に対して謝ってきているが、謝意が足りないな。もっと謙れよ。それが素でできないうちはお前はダメだな
「ざまみろクソ野郎」
眠いです




