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最弱職だって勇者になりたい!  作者: うすしお
グリフォン編

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99 廃墟化の原因

「カイセイ!遮らないでくださいよ!…それで、あの、お名前は…?」


…コイツの名前なんて心底どうでも良いよ。どうせディオなんちゃらとかなんちゃらニスとかなんだろ…


「名前はマダナイだ。」


「は?」


「いやだから…私の名前はマダナイだ」


…この世界ってもしかしてギャグ路線に走ってたりする?


「マダナイって言うとあの神話に登場するやつですか?」


神話?なんだそれ


「カイセイ、もしかして知らないのですか?神話の名前は吾輩は猫で」

「もういいその先は言わなくていいぞ。何となくわかった。この世界に英雄として送られてきた異世界人が布教したんだろ?その絵本を」


神話に対し俺が絵本といった事で町長がブチギレているがそんな事よりも気になる事があるんだが…


「お前らもしかしてさ、『名前はまだない』の部分、名前=マダナイとか思ってないか…?」


おっと、今度俺に送られてきたのは蔑んだ目ですね


「普通に考えてその猫の名前がないって事だからな?名前=マダナイじゃない。名前がまだ無いんだって言ってんだよその猫は」


次は頭の中がこんがらがってそうな表情になりましたね…コイツらの表情が転々と変わって面白いな


「…なぁ、俺にとって町長の名前ほどどうでもいい事はないんだ。わかるか?俺はバイトしに来たんだよ!それが何で俺たちはお前の名前について議論してんだよ!てかついでにやまとも!何でお前の名前は日本の昔の呼称なんだよおかしいだろ!!」


…完全に冷めた目で俺を見るのをやめろ。俺が間違ったこと言ってるみたいじゃ無いか


「…それで、このオンボロプールの清掃だなんて仕事送りつけてきたのはあんただろ?どうして今更こんな薄暗くて不気味な所を掃除しようと思ったんだ?いい加減掃除始めないと外暗くなるぞ」


「…ここは元々町が経営していたプールで、かつてはここが観光名所になるほど賑わっていたんです」


なるほどな。それが流れゆく時代に追いつかなくなって放置されてしまったと


「…いつも通り運営していた日でした。いきなり全身をローブで包んだ老婆が呪いを解き放ったのです」


呪い?


…ローブの老婆?


いやいや、まさかそんなわけ


「その方は人間ではなかったみたいで最近討伐されたみたいですが…呪いを恐れた人々はここに近寄ることすらしなくなったのです」


「俺が老婆の事討伐した張本人だよくそったれ」


99話…99!?

あと一話で100話目ですよ

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