92 道中
「カイセイ、なんか地味に遠くないですか?」
歩き始めてから早一時間。こんだけ歩いてまだそれだけかよって思うがまぁそんなもんだ。そんなもんだけどコイツがずっとうるさい。旅行先での移動中の子供かよってぐらいうるさい
「気のせいだ。早く進め」
「気のせい…ですかね?」
気のせいなわけないだろクソ遠いぞこの隣町
もはや隣ってなんだよ。
「…やっぱり気のせいじゃないですよ。何ですかこれ、朝からずっと歩いてまだここですか?頭がおかしくなりそうです…」
「まだ一時間ぐらいしか歩いてないからな?それとお前は既におかしいから別に歩き続けても…って痛い痛い。やめろつねるな。俺の父親みたいなことするんじゃない」
「だって今のは快晴が悪いじゃないですか」
そうだな。それは認めよう。てか認めないと隣町に着くことすらままならないわ
「おい。喧嘩なんかしてないでとっとと歩くぞ」
「!?えっ…いやだって今さっきのも始まりは快晴が…」
「お前何ほざいてんだよ。寝言は寝てから言え。苦情は終わってから出せだ。良いか、わかったな?」
「何もわかりませんし良くもありませんが」
苦情は終わってから出せとは
昨日は寝落ちしてました




