7、友達… by由紀菜
今年初の投稿です。
香織が迎えに来なかった…。
いつもなら、『由紀菜ー』って叫んで呼んでくれるのに、今日は、呼んでくれなかった。
…バレたのかな……。
あたしが、
犯罪者の娘ってこと。
学校へ行くと、香織は来てなかった。
いつも、話しかけてくれる友達も話しかけてくれない。
『おはよう』の一言もない。
やっぱり、バレたのかな…?
香織がやっと来た、と思ったら、隣には美並。
一緒に来たのかな…。
美並が教室を出たのを見て、あたしは香織にニッコリ笑った。
すると、香織はいつも通り、あたしの近くに来て、『おはよう』と言ってくれた。
嬉しかったのに、あたしは
「…なんで、今日一緒に行けなかったの?」
と、言ってしまった。
…悔しかったんだ。
香織が美並に取られそうで…。
どうか…香織は、あたしのお父さんのこと知りませんように…。
少しの間、あたしと香織は喋った。
「香織ちゃーんー!ソイツと一緒にいたら、腐るよー?犯罪者の娘だし、何されるか分かんないし~」
!!!
何で言うの、美並!
美並がそのこと知ってるのはいいけど、香織には知られたくなかったのに。
しかも、みんなに聞こえるように大きな声で…。
「香織…っ!」
香織は美並のほうへ無言で近寄る。
行かないで!!香織っ。
「香織!!」
香織は振りむいてもくれない。
「あ~あ、由紀菜。友達いなくなっちゃったね~。みーんな、アンタが犯罪者の娘って知ってるよ。誰も味方になってくれない。香織ちゃんだって、アンタのこと嫌いになったんだって~」
は!?
本当!?
香織が…あたしのこと……嫌い?
今までそんなこと考えたこともなかった。
香織が……。
………あたしが犯罪者の娘になっちゃったから?
ずっと友達でいれると思ってたのに…。
あたしは力が抜け、床に座ってしまった。
…そんなっ……。
あたし、本当に友達いなくなっちゃったかもしれない…。
やっぱり、いじめられるのかな。
美並に。
今年も、よろしくお願いします。
続く...