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4、思わぬ出来事 by由紀菜

続きです。


「あ……」

あたしの目の前にいたのは、お父さんだった。

…お父さんがあの人をひいちゃったの!?

「どうしたの?由紀菜?」

香織が聞いてきた。

あたしの体はガタガタ震えて、すっごく怖かった……。

「由紀菜……?どうしたの?」

「大丈夫。あっ!あたし、もう帰んなきゃ。今日塾だったの忘れてた!じゃぁねっ」

香織に心配をかけないように、あたしは満面の笑みで、答えた。

そして、家に帰った。

ごめんね、香織。

あたし、犯罪者の娘になっちゃったよ…。


家に帰るのが、怖かった。

…なんか怖かった。

お母さんに説明なんかできない。

しかも、まだ、アレがお父さんだって決まったことじゃないし…。

あたしは、どこも行くところがなくなったから、公園に行くことにした。

かばんをベンチに置き、制服のまま、ブランコに座った。

…なんか、少女マンガの主人公見たい。

「はぁ……」

あたし、何やってるんだろ…。

まだ、手が震えてる。

信じられない。

ていうか、信じたくなかった。

…お父さんが人をひいたなんて…。

「帰ろ…」


あたしは、あの、人をひいた車の中にいたのがお父さんじゃないってことを願って、家に帰った。

「あ…」

家の前には、パトカーが止まってた。

「由紀菜!」

玄関では、泣きじゃくってるお母さんと、警察の人、2人が立ってた。

「お子さんですか?」

「……はい」

お母さんは、泣きながらも答えた。

「……お父さんが…人をひいたんですか?警察の人はそれを言いに来たんですか?」

何故か怒りがこみあげてきてしまい、あたしは、言ってしまった。

「そうだよ、よくわかったね、お嬢ちゃん」

…お嬢ちゃんって言われるほど、お子様じゃないし……。


……お父さん、本当だったんだね…。

本当にひいちゃったんだね…。

あたし、本当に、犯罪者の…娘…かぁ。


家の中に入ると、高校1年の兄の隼人が椅子に座ってた。

「隼人…」

「…由紀菜……」

「あたしね、見たんだ」

「何を?」

…あたしは、泣きながら必死にしゃべった。

「お父さんが…人を…ひくと…ころ」

「え?それ、本当?」

ドーンと大きな音を出して、人が倒れてるところが目に浮かぶ。

あそこにいたのは、確かに、あたしのお父さん。

お父さんに限って何で、人をひいちゃったの…?

お父さん、何にも悪いことしてないのに…。

あたしは、「うん」とうなずいた。


          続く...

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