2、突然
続きです。
見て下さい。
「……おはよぉ……」
「何!?何でそんなにテンション低いの!?」
今日の朝、珍しく、玄関のチャイムを押して、由紀菜を呼んだ。
叫ぶ気力もない…。
「だってぇ…、みんなに、自分から「おはよう」って言うって言うから…緊張しちゃって……」
「…香織……アンタねぇ……」
怒ってる!!??
しょ、しょうがないのにぃーー。
「緊張しなくってもいいじゃん。あたしと普通に喋ってるじゃん、今。何でみんなの前では普通に出来ないのよ~。普通に、普通に接してみればいいじゃん?」
「そ、そうだけどぉ…無理なんだも「ほら!!また無理って言ってる!!」
……なんか、今日の由紀菜、気合い入ってるんだけど。
「はぁぃ…頑張りますぅ~」
「よし!頑張れぇ~。あたしは応援してるよっっ!」
私が頑張るしかないんだよなぁ……。
私たちが教室に入ると、数人いた。
(ほら、言うんだよ)
由紀菜が目で訴えてきて、私は深呼吸をしてから、大声で言った。
「み、みんな、おはよお!!」
言った後、周りはシーンとなり、由紀菜だけが、こっちを向いて、ニコニコ笑ってる。
「おはよぉ、香織ちゃん♪」
「おはよ、福沢!」
男子も女子も、ニコニコ笑って答えてくれた。
そのあと、教室には、人が次々に入ってきた。
「おはよう」
そのたんびに、私はニッコリと笑って挨拶をした。
みんながニッコリ笑って「おはよう」と言ってくれるのが、とても嬉しかった。
…ただ、挨拶をしただけなのに、不思議だね。
こんなに嬉しくなるなんて。
そして、昼休みになり、私は朝とは人が違うようにテンションが高かった。
「嬉しい~!嬉しいよぉ、由紀菜ぁ」
私は、由紀菜に抱きつく。
「すごいよ、すごいよ香織。出来るじゃん!!こんなにすんなり行けるとは思ってなかったよ~。良かったぁ。これで、人見知り、治せたね」
「うん!!」
この時、私はまだ知らなかった──────
これから、大変なことになるなんて……。
放課後、私はバスケ部へ、由紀菜は吹奏楽部へ…。
由紀菜はとは教室で別れて、私は教室で体操服に着替えていた。
「香織ちゃん、なんか変ったね~」
陸上部で、私と一緒に着替えていた、美並ちゃんが話しかけてきた。
「……うん。全部、由紀菜のおかげなんだ!!」
私は、自慢げに言う。
昨日までの私じゃないんだ。
私は、人見知りが治ったんだ!!!!
「…由紀菜のことなんだけど…。この頃ウザくない??」
「え…そうかなぁ……?」
……嫌いなのかな…、美並ちゃん、由紀菜のこと…。
「まぁ、それはいいとして、うち等のグループに入らない??ね??いいでしょ…?」
「え…でも…」
「ね??いいでしょ~?」
ここまで言われると、断れない、私。
…でも、由紀菜とは離れたくない。
「考えといて?うち、もう部活行くから」
黙ってる私を見て、美並ちゃんが言った。
どうしよ……。
続く...