1、平凡な毎日
神谷霧嘉です。
第1作目の、連載小説、ついに始まりました。
続くかどうか、分からないですけど、見てくれたらうれしいです。
朝起きて、まず空を見る。
…今日もいい天気。
さてとっ、支度しよっと。
制服を着て、鏡を見る。
鏡越しに、見えた時計…。
時計の針は、7時45分を指していた。
「やっばーいっ」
私は、かばんを持って1階に下りて、そのまま玄関へ。
「あら、香織。起きてたの。早くご飯食べないと、遅れるよ?」
そういう母さんの言葉は無視し、私は家を飛び出した。
7時40分に由紀菜の家の前に集合なのに、5分遅れ。
きっと、由紀菜怒ってるだろうな…。
「由紀菜ぁー」
私は由紀菜の家の前で叫ぶ。
毎日こんなんだ。
「あーごめんごめん。寝坊しちゃって…。今行くっ!」
2階の窓から顔を出して由紀菜は行った。
…一緒じゃん。
家の中からは、ドタドタと階段をおりる音が外まで聞こえる。
「いってきまぁす!!」
「はい、いってらっしゃい」
由紀菜のお母さんは、玄関から顔をのぞかせ、私にニッコリ笑った。
私もニッコリ笑って、歩き出した。
「寝坊しちゃってぇ、朝バタバタだったんだよぉ」
「わ、私も…」
「まじぃ??朝から2人ともダメダメじゃん」
「だね~」
今日も朝からゲラゲラ笑う。
「由紀菜、おはよ~」
「あ、おはよ」
朝から由紀菜は人気者だ。
「由紀菜ぁ~!!おはよ~」
「おはよ~。美並」
ニッコリ笑って、美並ちゃんに言い返す、由紀菜。
…うらやましかった。
私は、由紀菜の前ではなんでも言えるけど、他の人の前では恥ずかしくて、何にも言えない。
「あ、香織ちゃんもおはよう」
私はもじもじしながら、「…おはよう……」とボソっという。
「もう!!香織~ちゃんと言わなきゃぁ」
「だってぇ…」
「いいよ、無理しなくて。ちょっとづつ友達になろ?」
美並ちゃんはクスクス笑いながら、私に優しく言ってくれた。
中学1年になってから、7か月もたったのに、まだ慣れてないって、どんなに、人見知りなんだろ…私。
直そうと思っても治らない…。
大丈夫かな、私。
…でも嬉しかった。
学年の中でも、怖いグループに入ってる、少し不良の美並ちゃんにはなしかけられたんだもん。
…ただ挨拶しただけだけど……。
でも嬉しかった。
昼休み、中庭の芝生で、弁当を食べている。
「香織ぃ」
「ん~?」
「アンタ、早く人見知りを治さなきゃ」
「そう思ってるんだけど…無理なんだもん」
泣きそうな声で私は言う。
「そんなこと言ったって、自分で治さなきゃ、治らないよ~?あたしには何にも出来ないんだから。ね?まずは、みんなに挨拶できるようにしようよ。明日の朝、自分から「おはよう」って言うんだよ!!分かった?」
「ぇえ!?無理だよ、そんなのっ」
由紀菜は、はぁ~とため息をついて、私のほうを向いて言った。
「無理無理言ってたら、絶対無理!やってみなきゃダメじゃん。香織はまだ何にもやってない。自分からドンドンしなきゃ」
「うん……」
由紀菜がそう言ってくれて、やってみなきゃ……と思った。
由紀菜っていっつも説得力がある。
私、頑張る!!
続く...