12、最悪な報告
この12話目の内容は、題名通りです。
「どうしたの、翔ちゃん?」
「いや…香織、今日すごいテンション低かったから…何で?」
…何で?って言われても……。
『美並が翔ちゃんにべたべたくっついてたから』なんて言えないよ。
言ったら、好きってばれちゃうし。
「一つ聞いていい?」
私が黙ってると、翔ちゃんが口を開いて言った。
「何?」
「……香織って、俺のこと好きだったりする?」
「えっ?」
急に!?何!?
バレてたの??
「いや…なんとなく……」
「なんとなくって…気になるっ!」
実は…翔ちゃんも私のこと好きだから、とか??
そんなこと、思ってると、翔ちゃんは
「何でもない。変なこと聞いてごめんな。じゃ!」
と言って、走って校舎の中に入って行ってしまった。
───何で急に聞いてきたんだろ…。
私はきになってしょうがなかった。
教室に入ると、もうほとんどの人が教室にいた。
今日は珍しく由紀菜をいじめてない。
由紀菜は1人で席に座って読書をしてる。
なんか、こういう空気、今までなかったから少し違和感がある。
私がドアの前でつったってると、美並が飛んできた。
「香織ぃ~!!待ってたよ!!聞いて聞いて。今日、香織に報告したいことがあるの!」
報告…?
いいこと…?悪いこと……?
「うちね、翔君と付き合うことになったの!喜んでくれるよね?」
は!?
嘘でしょ?
「嘘だと思ったでしょぉ」
なんか、気持ち読まれてる?
美並って怖い…。
「嘘じゃないから。なんなら翔君に聞けば?あ、明日から2人で行く約束してるから」
「そ、そっかぁ…。良かったね、美並」
私は苦笑いをして、自分の席の方へ行った。
由紀菜のほうをチラっと見る。
やっぱり、いじめられてない。
なんか、今日の美並、おかしい。
私に対しての接し方が違う気がする…。
…由紀菜が解放されたのは、嬉しいけど。
続く...