11、積極的な美並
続きです。見て下さい。
朝、起きて、支度をして外に出ると、そこには美並がいた。
「香織~!!紹介してよね、あのイケメン!!」
朝からテンションの高い美並に言われて、私は翔ちゃん家の玄関のベルをならした。
───ピーンポーン───
『はい』
「あ、香織です」
『今行く~』
私は、こういうやり取りだけで、ニヤニヤしてしまう。
なんか、不思議。
この前まで、人見知りだった私が、こうやって美並と一緒にいるなんて。
…由紀菜がいじめられるのは嫌だけど…。
「おはよ、香織!!」
「翔ちゃん!おはよっ」
「どした?」
「…一緒にいこぉ♡」
実は、私、翔ちゃんのことが大好き♡
昔からずっと好きで…。
翔ちゃんが引っ越すって聞いた時、どれだけ泣いたか。
翔ちゃんがニッコリ笑った。
すると、私の後ろに隠れてた、美並が出てきて、
「うちも一緒に行っていい??」
とぶりっこのような言い方で翔ちゃんに言う。
「お?香織の友達の…」
「美並でーす!!」
「おわっ!」
美並!?
美並はイキナリ、翔ちゃんの腕に美並の腕をからみ、ひっぱりだした。
早く行こ~、とか言って。
私もそんな事したことないのに!!
プリプリしながら、2人のあとを、チョコチョコとついていく。
でも、後ろ姿は、カナリお似合い。
背の高い翔ちゃんと、ロングでスラーっとした体型の美並。
にくいけど、羨ましかった。
私なんて比べ物にならないし…。
そんなこんなで、学校に着いた。
結局、一緒に学校に来るんじゃなくて、『ついて行った』という形になっちゃったけど…。
「あ、ごめん、美並ちゃん。俺、香織とちょっと、話したいことあるから、先に教室に行っといてくれない?」
え…?
半泣きの私は思わず見上げた。
「はぁい♡」
美並は目をはーとにして、返事をして、すんなりと教室にむかっていった。
続く...