10、影で… by由紀菜
前まで、投稿してた、「積極的な美並」の前にいれてみました。
変更しましたが、「影で…」を見てから、「積極的な美並」をもう一度見てくれれば、嬉しいです。
…この頃、香織、全然教室にいない。
なんでだろ…。
あたし、本当に嫌われちゃった…?
「もーらいっ!」
「やめて!!それ、あたしの財布!!」
美並とよくいる、加奈があたしのかばんから財布を取った。
加奈は、あたしの財布をみなみに渡そうとした。
あたしはとっさに、加奈に飛びつき、
「やめてよ!!返して!!」
と大声で叫ぶ。
でも、加奈はあたしから逃げ回って、財布を返す気なんか全然ない。
「早く返してよ!!」
そういうと、加奈の動きは止まり、そのすきに、あたしは財布をとり返した。
「…美並、あれ見て」
中庭のほうを指さし、加奈は言う。
美並たちは、窓の方へ集まり、中庭を見た。
「何アレ」
あたしも気になって、少し覗いてみると、そこには、香織とせが背が高くてイケメンの男子がいた。
香織は恥ずかしそうに笑って、男子はニコニコ笑って何か話してる。
「誰、あれ」
美並が言うと、加奈が続けて言った。
「分かんない。てか、カナリのイケメンじゃん!!」
「どうやって手に入れたの、あの女!!」
美並の顔がドンドン怖くなっていくのが分かった。
ヤバいよ、香織…。
「そぉだ、いいこと思いついたぁ~♡」
あたしのいじめは、それ以来、なかった。
ほっとしてるけど、香織が危ないきがする。
美並の声が聞こえ、あたしは自分の席からよく耳をすませて聞くことにした。
「なに、なに??」
「あのね…」
そこからはよく聞こえなかった。
でも、かすかには聞こえた。
……奪い取るかなんか………。
奪い取るって何を?
あたしは分からないまま、その日をすごした。
そして、夜、考えてみると、分かった。
香織の横にいた、あのイケメンを奪い取るってこと…だと思う。
でも、香織が、あのイケメンのこと好きって決まったわけじゃないし…。
やっぱり、分かんなかった。
香織には、一応報告……しといた方がいいよね??
明日、香織に言おう。
嫌われていてもいい。
香織を助けなきゃ……。
続く...