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進入禁止

作者: 尚文産商堂
掲載日:2022/09/01

ここ辺り一帯、進入禁止の看板だらけだ。

廃工場といえば聞こえがいいが、どれもこれも、バブル期に建てられて以後放棄されたものばかりだ。

本当にここに何か産業を誘致しようとしたのかすら考えなければならないだろう。


廃墟というよりも、人工物と自然の和合、そのひと固まりになっているのが好きだ。

そこで一応地権者から許可を取り付けて、写真を撮りに来たわけなのだが、右を見ても左を見ても、ぼろくなって穴だらけになったフェンスや、古びて穴だらけになった三角コーンといった誰も入らせようとしない支障物が、今やその存在意義すら希薄になりながらも俺の行く手を遮っている。

ふと押してしまえばパキパキと音を立てて脆くも壊れてしまいそうになる。

そんな進入禁止の看板の先には、小さな広場があった。

本来の計画ではここまでが道路で、この先にトラック集積場があったらしい。

荷物の運搬もそこをメインに考えていたのだろう。

だが、それは跡形もない。

ただ時間とともに、自然が人がここにいたという証拠を侵食していくだけだろう。

それは、ここが再開発されるまで続いていく。

それまで、俺はこの自然の一部を撮りたいと思う。

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