85話 王都防衛戦 その3
防衛戦はこれで終わらせるつもりだったのにっ!
全然、まったく、これっぽっちも終わらなかった……!?
王都を包囲する不死者の大軍勢。
東西南北の四方に存在する門を落とすべく、四方で不死者達の指揮をとる〝五死〟が1人。
「ふむ、やはりと言うべきか。
王都全域を囲うこの広域結界……大賢者殿が動き出したか」
王都の東方にて、金髪金目の男。
魔王ナルダバートが最高幹部〝五死〟の筆頭、静殺のグレイブが本陣として撮影した天幕の入り口から眼前に広がる結界を眺めてため息を溢す。
「瞬時にこの規模の結界を展開するとは……流石は大賢者殿と言うべきか。
しかし……強度はそれ程でもない、我らの足止めが目的と言ったとろか。
ねぇ、大賢者殿?」
「あら、気が付いていたのね」
振り向く事なく前方の結界を眺めなるグレイブの問いに、彼の背後……本陣である天幕内のソファーに腰掛けた大賢者マリアが優雅に微笑む。
「当然でしょう。
まさか貴女と帝国の守護神が出張ってくるとは思っていなかったので、ジンがやられた時は驚きましたよ。
それで、ここには何のようで?」
「ふふっ、そんなの決まっているじゃない」
「はぁ、まったく……今回の我々は本当に損な役回りですよ。
貴女が私の所に来たという事は、ベルンの方には帝国の守護神が?」
「そう、現人神は西に向かったわ。
そして……ふふっ! 静殺のグレイブ、貴方の相手はこの私よ」
次の瞬間……常人には目視は勿論。
Aランク冒険者クラスの実力者であっても一切反応すらできない程の刹那にソファーに優雅に腰掛ける大賢者マリアの背後に周ったグレイブが漆黒の剣をその細い首へと振り下ろし……
「ッ!」
ぐにゃりと沈み込む弾力のある結界によって、ギリギリ細い首筋に届かない位置で剣を受け止められたグレイブが息を呑む。
「残念だけど、その程度の斬撃は私には通用しないわ」
パチンっ!
「なっ!?」
マリアが指を打ち鳴らすと同時に沈み込んでいた結界がグレイブの黒き剣を押し返し、本陣である天幕もろともグレイブを弾き飛ばす。
「っ……やってくれますね」
「それにしても、これは些かイストワール王国を……と言うよりもルスキューレ家を甘く見過ぎじゃないかしら?」
魔王ナルダバートの最高幹部である〝五死〟の筆頭と伝説に語られる英雄たる大賢者マリア。
両者の戦場と化したグレイブの本陣に、コツコツとマリアの足音が妙に大きく鳴り響き……
「まさか貴方達〝五死〟以外は自我もない低級の不死者だけで王都を落とすつもりだったなんて」
グレイブが吹っ飛ばされて来ようと、本陣であるテントが崩壊しようとも一切反応を見せず、ただただ整列する不死者の大軍勢が──
「ソフィーちゃんは当然として、ソフィーちゃんの兄であるアルトやエレン達の実力は知っているのでしょう?」
一歩、また一歩とマリアが歩みを進めると同時に微動にせずに整列していた大軍勢が白い炎に包まれて消滅する。
「無論、知っていますよ。
それでも多勢に無勢、幾ら低位の不死者であろうと10万もの軍勢で攻め込めば王都を落とす事は可能だと判断していたまで。
貴女や帝国の皇帝なんて規格外の怪物の介入さえなければ……」
「あら、女性に向かって怪物なんて失礼ね」
「それは、失礼しましたっ!!」
音もなく再びマリアの背後に周ったグレイブが先程とは異なり空間が歪んで見える程に膨大な魔力を纏わせた漆黒の剣を振り下ろし……
コツンッ!
「聖炎領域」
いつの間にか手にしていた身の丈程もある巨大な杖を、マリアが軽く地面に着けた瞬間……一瞬にして地面が。
〝五死〟筆頭である静殺のグレイブが指揮する不死者の軍勢が隊列を組んで大地を埋め尽くす王都東方の地面が白く染まる。
「これ、は……」
全身を白い炎に包まれたグレイブが愕然と言葉をこぼし……
「聖なる炎によって浄化されなさい」
ザッ……
グレイブの手から落ちた漆黒の剣が地面に突き刺さる音が鳴り響く。
「さて、他のみんなは大丈夫かしら?」
王都の東方に展開していた数万もの不死者の大軍勢が。
魔王ナルダバートの最高幹部である〝五死〟の筆頭にして静殺と恐れられるグレイブが……塵の一片すら残す事なく白き炎に包まれて消滅した。
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