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第二回ラジオ大賞

悪役令嬢の暇つぶし

作者: つみき

 公爵令嬢のレイラは暇を持て余していた。


 学校は模範生のように振る舞い過ごしている。目に余る行為には目を光らせる。平民出の聖女は特に注意していた。決して虐めていた訳ではない。


 そんなおりの休日。取り巻きもいなく部屋で過ごす。


「メアリーはいませんか?」


 お茶を入れてもらおうと侍女を呼ぶ。しかし返事はない。彼女にも久しぶりの休日をあげていた。


「貴方は取り巻きがいないと何も出来ないのね」


 頭の中で聖女の声がリフレインする。


 そんなことありませんわ!今日は1人で街に出掛けてみましょう。



 寮を出て初めて1人で街に繰り出す。お茶を飲むため喫茶店を目指す。

 途中見慣れた人物を見つける。平民聖女のリアだ。彼女は少女に手を引かれ足早に移動していた。


 下品です!明日しっかりお説教しなくては。それにしても何を急いでいらしゃるのかしら?


 彼女達行動に興味を持ち後を追った。

 先には大きな人だかり。かき分け中に入る。目の前には寝転ぶ男性の大人3名とリアが向きあっていた。

 よく見ると男性は大怪我をしていた。リアが1人1人に回復魔法をかけて行く。


 凄い。


 シンプルにそう思った。そして自分が今まで彼女にしてきた行為が恥ずかしくなった。


「レイラ様」


 リアに見つかってしまった。どんな顔をしていいかわからない。


「あら、ご機嫌よう。リアさん」


「レイラ様。お一人は珍しいですね。一緒にご飯食べませんか?」


 屈託のない笑顔。私はそれが嫌いなの!でも。


「よろしくてよ」


 何故だか彼女の申し出を受けてしまう。



 彼女に案内された場所は孤児院だった。私は配膳を手伝わせれる。


 やったことありませんわ。公爵令嬢を何だと思ってますの!


 怒りながら笑顔で手伝う。私達もオマケで孤児院の食事を頂く。出されたのは硬いパンと水。酷い。リア。私に復讐している?


「レイラ様。今日はありがとうござました」


「良いのよ。今日は時間がありましたから」


「レイラ様を孤児院に連れ来たのには理由が有ります」


「なんですの?藪から棒に」


「孤児院はお金が足りてません。公爵家から援助を出していただけないでしょうか?」


 この子。何処までも聖女なんだわ。


「我が家のメリットは?」


 ただ援助するだけでは意味がない。


「将来、公爵家の労働力としてお使い下さい」


「良いでしょう。お父様に進言してみます」


「ありがとうございます」



 私のリアの見方が少し変わった。彼女の方が王妃には相応しいかも。でも。


「ふん。明日も厳しく行きますよ!」



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― 新着の感想 ―
[一言] 【妄想劇場】 >「孤児院はお金が足りてません。公爵家から援助を出していただけないでしょうか?」 「ならん」 お父様に二の句もなく断られました。 カチャカチャ 「理由をお伺いしても?」…
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