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地下の書庫

1階の職員室から階段を降り、地下へと降り立つ。

やはり地下だからか、魔導具の照明が所々に設置されていても多少の薄暗さがある。


 普段来る機会のない学校の地下に初めて来てみたが、暗闇の奥から何かが出てきそうな不気味さを感じる。


 つい先ほど聞いた魔王の話を思い出してしまい、少しビクビクしながらも奥への通路を進んでいく。

とそれだけ怯えていたにも関わらず、特に何事もなくあっさりと目的の書庫にたどり着いた。


 書庫と書かれた入り口に、重厚なつくりの扉が出迎える。


 たしか、地下の書庫は学校の1階にある図書室とは別に、貸出禁止のものや古い資料、図書室に入りきれなくなった本などが置かれているらしい。


 噂程度は聞いたことがあったものの、図書室で大体のことは済んでしまうし、まだ入学してそんなに経ってないため、わざわざ地下の書庫まで来ることはなかった。



ズッシリと重い扉をゆっくりと開き、中へと入る。


中は大きな本棚が立ち並び、入口からでは部屋の端が見えなかった。

「うわぁ~、すっごく広い!」


 静かな書庫の中で私の声が響き渡る。

そんなに大きな声は出していないのに何だか申し訳ない気持ちになった。


 気を取り直して部屋を見て回ることに決め、カバンを手近な机に置き部屋を歩き回る。

正直なところ、本棚と机と椅子があるだけでほぼ同じ景色なので何度か迷いそうになった。


 あまりの広さに部屋を見て回るのは途中であきらめ、入口側から順番に魔法で探していくことにした。

左手を前に掲げながら頭の中に魔王のことを思い浮かべ、呪文を唱える。


検索サーチ!」


 左手に着けている腕輪型の魔導具に魔法陣が浮かび、そこから半透明な球体が生まれる。

それは様々な物をすり抜けながら瞬時に膨らみ、直径10メートル程度に広がった後スッと消えた。


 球体の範囲内にあったいくつかの本が光って見える。早速、見つかったようで幸先は良さそうだ。

そんな感じで、関係のありそうな本を見つけたら机に運び、移動しては魔法を使って本を探す。


 軽く見渡しただけでも様々なものがあり、タイトルだけで分野がわかるものや内容が一切想像できないもの、どこの言語で書かれているのかわからないものまであったりと、単純に読書をするために来てもいいかも、と思うぐらい興味を惹かれる本が多かった。


 このまま脱線していてはいつまでたっても終わらない。書庫にはまたの機会に読書に来ようと心に決め、途中から作業に集中する。


 黙々と繰り返しながらようやく部屋の半分まで来たところで魔力が尽きてしまった。

結局、最後まで人に会うことはなく、おそらく私以外に来ている人はいないみたいだ。


 最後に見つけた本を机に運び、そのまま椅子に座り込む。

思ったよりも疲れていたせいか、机に突っ伏した。


「つかれたぁ~。検索は消費魔力が少ないはずなのに、半分ぐらいしか終わらないってどれだけ広いんだぁー」

誰もいないのをいいことにちょっとばかり愚痴る。


疲れた理由は主に、見つけた本を運ぶことだった気がするので、次は簡単に運べるような魔法を覚えておきたい。まあ、次がないのが望ましいけれど。

とそんなことを思いながら、休憩を続けていると何やら物音が聞こえた。

耳を澄ませ、音の発生源を探す。魔力を使い切ってしまったのが恨めしい。


まだ行ってない書庫の奥から音が聞こえる気がする。

気になり、音のほうへに進んでみることにする。


しばらく進んでいるとだれかの声が聞こえてきた。


『おい、誰かいるのか!聞こえないのか!』

うまく言えないが、なんとなく変な感じのする声が聞こえた。不明瞭で若干反響しているような。


「誰かいるんですかー?」

とりあえず声をかけてみる。


『こっちに来てくれ!』


 不思議なその声を頼りに部屋の角、奥まった場所までたどり着いたものの特に人影は見えない。


「えーと、すみません。どこにいるんですか?姿が見当たらないのですけど」

『隠し部屋になっているんだ。『解呪ディスペル』で見つからないか?』


隠し部屋という言葉に少しワクワクしてしまったが、魔力が尽きているのが残念でならない。『解呪ディスペル』はまだ習ってないけど。


「えーと、すみません。先生を呼んできましょうか?」


『いや、そのまま手探りでいいから怪しいところがないか探してくれないか?あまり大ごとにはしたくない』


大ごとにしたくないってことはもしかしたら、同じ学生なのかもしれない。

書庫にいるのも私と同じで何かの罰で探し物していたのかも!

まだそうとは決まってないのに、少し自分との共通点を感じ、親近感が沸く。


「わかりました。探してみます」

あんまり緊急でもなさそうなので、私はそう言って近くを探しはじめた。



壁際にある本棚を順番に見ていくと、分かりにくいが両開きの扉のように取っ手がついている棚があった。

明らかに怪しい。とりあえず、確認のためにその取っ手を引っ張てみることにする。


「わっ!!」

掴んだその取っ手は本棚を半分に分け両開きの扉のように開いた。

そして、その先に奥へと続く通路が現れた。


これで隠し部屋になるのだろうか?あまりにあっさりと通路が見つかり唖然とする。

「えーと、隠し部屋ってここのことでいいんだよね?すみませーん。隠し部屋見つけましたよ。どこにいますか?」


声をかけながら恐る恐る、奥に見える扉に歩きだす

『奥に部屋があるから、そのまま進んできてくれ』


私は不安と期待を胸に、奥にある隠し部屋への扉を開いた!


辻褄を合わせるのに時間がかかってしまいました。

現状でもなかなか怪しいところ。矛盾がないようにしていきたいです

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