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第76話 ケモズ共和国攻略編 機械の決着

暗い中央制御室にポゥっと光が灯る。駆動音が微かに鳴り、管理者は目覚めた。


「危ナイトコロデシタ。今回ノ客人ハ手強イデスネ。


ココカラ第二章ノ始マリデス。ウフフフフ」


管理者は船内を走査した。


ダカユキー達、オスカー達はそれぞれもう地上に出るところだった。


女王アルウネアと戦っている通りすがりの機械たち……一番の大所帯はまだ船内にいた。


今度は逃さない。


全リソースを捕獲に費やしましょう。




ダンジョン内、とある区域。


暗く長い間使われていなかった区画の扉が動き、


まるで生き物の様に施設が一斉に稼働し始めた。


コンベアで運ばれているのは何十という保守機械だった。




ユウリナの残存エネルギーは5%を切った。もはや身体を変形することは躊躇われる。


真っ赤に熱された一本のヒートブレイドで女王アルウネアの攻撃を防いでいる。


女王の鋭い鎌足はヒートブレイドが当たるたびにジュっと煙を上げ、


明らかにダメージがあるようだがそんなことは構わずに猛攻を仕掛けてきた。


そんな攻防の隅で、アーキャリー達はルレ隊に無事に保護された。


「アーキャリーッ!!」


「ベミーッ!!」


再会した二人はきつく抱きしめ合った。


「ああよかった、アーキャリー。遅くなってごめんな」


「ベミー、あなたも無事でよかった」


アーキャリーは安堵からか、大粒の涙を流した。


「僕はキトゥルセン王国の王族警護、通称【王の左手】のキャディッシュだ。


アーキャリー姫だね? 僕が……」


「長い、黙れ。私たちはあなたの父から依頼されて救出しに来た。もう大丈夫」


「ああ、クロエ。冷たいけどそれがまたイイ!」


「……あ、ありがとうございます。父と母は無事なのですね?」


「ああ、心配するな。さあ、行くぞ」


子アルウネアはルレ達が対処している。


ユウリナと女王が間を取った時、間に赤い髪の女が現れた。


「マタ会イマシタネ、通リスガリノ機械サン。


オ楽シミノトコロ悪イノデスガ……オ遊ビハモウ終ワリヨ」


管理者のホログラムはそう言って笑うと、急に床が震え出した。


隔壁を動かし、道を作っているのだ。


大量の保守機械がすぐそこまで来ていた。


「ソレハコッチノセリフヨ」


ユウリナはヒートブレイドを収めた。




その時、地下ダンジョン内に散らばった機械蜂がピーっと小さな電子音を出したが、


気が付いたものは誰もいなかった。


そして機械蜂は中央制御室、転換炉、機関室など重要な施設で自爆をした。





地響きがその場にいた全ての者を襲った。


「うわっ!! なんだこれは!」


キャディッシュはバランスを崩し床に膝を付いた。


「きゃあ!」


「大丈夫かい、姫! さあ、僕の手に捕まって」


「やめろ、そこまでじゃないだろ、鳥人間」


「がーん! ク、クロエ……と、鳥人間て……」



「何ヲ、何ヲシタノ……?」


「コノパターンモ予測シテタワ。先ニ手ヲ打ッテオイタノヨ。


今度コソ終ワリネ。サヨウナラ]


ホログラムの管理者は何か言おうとして口を開き、そこで消えた。


「皆、急イデ地上ヘ」



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