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2話 今度のピンチは無理でした!?

「これからどうしようか?」


盗賊達から無事に隠れることができて一先ずの安全を確保出来たのでこれからのことについて考えてみる。


「ん?なんだこれ?」


今まで気が付かなかったけど転生する前は持っていなかったリュックを背負っていたことに気がついた。リュックの中を開けてみるとそこには1つの水晶玉が入っていた。


「あーそういえば神様からこれを貰ってたな」


僕は異世界に転生するにあたって神様から一つのアイテムを貰っていた。そのアイテムと言うのが…実はよく分かってはいないのだ。神様からは役に立つからと無理やりに渡されて何の説明もないままに異世界に転生させられたのだ。そのため何が起きるかわからなかったので盗賊達から追われている時に使わなかった…ではなくなんの理由もなく完全に貰ったことを忘れていて使う使わない以前の問題だった。


「これどうやって使うんだろ?」


今すごく困っているので役に立って欲しいと思いこの水晶玉を上から見たり下から見たりと何かないかと調べてみたけど見れば見るほど普通の水晶玉だということしかわからなかった。


「え、嘘だろ!?でも、普通の水晶玉を神様がくれるはずがないよな?」


それでも僕は神様が役に立つとくれたこの水晶玉には何か特別な力があるのかもしれないと念じてみたり抱きしめてみたりと色々なことを試してみたけど何も起こらなかった。


「まじかよ、本当にピンチじゃないかよ」


この水晶玉が本当に役に立たないと思い絶対に打ちひしがれていると突拍子もなく水晶玉が光り始めたのだ。


「え?なに?まさか!」


突然水晶玉が光り始めたので、なにが起きたのかと驚いたけど、それよりもやっぱり普通の水晶玉じゃなかったんだと喜びの方が強くなり次になにが起こるのかわからないのに思わず笑顔になってしまっている自分がいた。


「えーと、とりあえず読んでみるか」


光が収まると水晶玉から文字が浮かび上がって来たので読んでみると魔力が足りませんと書かれていたのだ。


「おわぁ、新しく文字が浮かんできた!!」


最初に浮かんでいた文字を読み終えると新たに文字が浮かび上がってきたのでさらに読んでいくことにした。


【それではこれから魔力を吸収したいと思います。】


「へ?なに?いまから?」


水晶玉はそれだけを映すと真っ黒な色へと変化し何かを吸収するような音をたて始めた。


「これが魔力なのか...綺麗だ」


水晶玉が魔力を吸収し始めてからすぐに先ほどまで見えなかった魔力と言うものが僕の目に映ったのだ。魔力は水晶玉を中心にして綺麗な渦を巻いていくのだ。その様子は宇宙に広がる銀河のように光り輝いていたのだ。


「あれ?力が入らない?」


水晶玉に魔力が吸収されている様子を眺めていると途端に体に力が入らないようになったのだ。そのせいで水晶玉を持つ事も立っている事も出来なくなり地面に倒れ込んだ。


「え?まさか!僕も吸われているのか?」


水晶玉はなんと僕までも吸収していたのだ。手の先が光の粒子となり魔力の渦へと吸い込まれていたのだ。


「なんでだよ!吸収するのは魔力だけじゃないのかよ!」


まさか僕が吸収されるなんて思ってもおらずここから逃げる事も考えたがすでに体の下半身の部分は吸収されており立ち上がることはできず逃げることが出来なくなってしまっていた。


「まさかまたピンチに陥るとは、でも今回のはもう無理そうだけどな」


体の下半身を吸われピンチな状況どころか瀕死寸前にまで陥っている。


「うぅぅ…もう意識が朦朧としてきたな」


意識が朦朧としてきて目を開けているのも辛くなってきた。とうとう死んでしまうのではないかと思えてきた。でも今回は痛みがないと言うだけでありがたかった。


「でもせっかく異世界に来たんだし楽しみたかったな....」


その言葉を最後に僕の意識はなくなっていった。

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