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2日目その2


「おはよ~、二人とも眠れた~?」

眠そうな目をこすりながら、クミがユキコと一緒に部屋から出てくる。

わかってた。わかってたよ。・・・わかった。やってやる。やってやるよ!


「おはよう。おい、ダイスケどうした?」


「いや、今日もやる気出していこうと思ってね。」

両手で自分の頬をバチンと叩いてみる。

痛い。くそ、夢じゃないか。


「やる気満々じゃん。あたし達も気合いれてこ~。二日目楽しも~ね~。」

「お~。」

「朝飯行こうぜ朝飯。」



・・・



「今日も楽しかったな。んじゃ、寝るわ。」

ダイスケが隣のベッドに入る。


「おう。おやすみ。」

俺は、またあの明晰夢をみることを覚悟して布団に入る。

やってやる、絶対に明日を迎えるんだ。


「ダイスケお前・・・なんか顔赤くない、風邪か?

あ!さてはお前、クミちゃんで・・・。もう何も言うまい。また明日な。」

ダイスケが反対方向を向く。


「違わい!おい、変な誤解すんな!」



・・・



見覚えのある繁華街にたっている俺。

俺は2日目の旅行中、この夢のことを色々考察していた。

この明晰夢は、現実世界の俺がいる場所で、昔起こったことなのではないかと考えている。

1日目、俺達はラムチソに泊り、そして昔話で勇者一行が立ち寄るラムチソで露店商としての夢を見た。

2日目、今現在進行形でケスタレアにいる。

そして今見ている明晰夢。俺は看板を持ち、昔話に出てくるケスタレアの繁華街で客引きをしている。

最初はこの明晰夢に恐怖を覚えていたが、

今日一日考えた結果、歴史学を勉強する俺にとっては、

昔の人たちと直に触れ合える、すごいメリットなんじゃないかと思い始めていた。

まあ直にといっても夢の中ではあるが。


そうこう考えていると勇者ナモミが俺の前に姿を現す。

この間は必死に呼びかけて失敗したからな。

ナモミがこちらの話に興味を持つようにうまいこと・・・。


「本日新装開店モンスター闘技場ケスタレア支店でございます!

本日はサービスといたしまして、当たった際には掛け金の3倍の賞金がご獲得いただけます。」

まあ、3倍とか今考えた嘘だけどな。


それを聞いてナモミが耳をピクリと動かす。

「へ~。そんなのもあるんだな~。でもまずはアイスアイス。」


3歩ほど歩いて止まるナモミ。


「・・・」

考えてる、考えてる。

ナモミがしばらく停止した後、俺の目の前まで来る。


「お兄さん、そのモンスター闘技場ってやつ面白い?」


「はい、それはもう。僕自身も楽しくって楽しくってこの仕事をしてる次第です。」


「ほ~。お店どこにあるの?ちょっとだけやってみたい。」


「ええ、ご案内します。」



・・・



「おはよ!今日も元気に行きますか!」

ユキコがハキハキと朝の挨拶をする。


「今日はアオサいくんだよね~。」

嬉しそうにクミがパンフレットを見ている。

やったぞ、俺は3日目を無事迎えられたんだな。

心の中でガッツポーズをする。


「ダイスケ、なんか嬉しそうだな。クミちゃん関連か?」


「ああ、今日もクミ可愛いなと思ってさ!」


「「「!」」」


顔を赤らめるクミ。

「あ、ありがと。」


「キャー。ダイスケ君ったらだいた~ん。」

ユキコがキャッキャしている。

失敗した。3日目を迎えられた嬉しさで思わず口を滑らせてしまった。

まあいいや、悪口言ったわけじゃないし。


「キャー。ダイスケ君ったらだいた~ん。」

リクがユキコの真似をしている。


「リクは気色悪いからやめろ。」

何はともあれ、3日目を迎えられてよかった。



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