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白龍転生劇  作者: 蓮羽
序章
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八幕:捲土重来

今日日、自分の文章が拙いな、と再確認して文章力が欲しいなとか思っています。


少なかれどわからない人もいると思うので説明しておきます

サブタイトルの捲土重来(けんどちょうらい)でですが、形勢逆転と同じような意味です。

「わ、私たち……勝ったん、だよね?」


リルが未だ信じられない、という顔で呟いている。それも仕方ないだろう。こんな締まりの悪い終わり方をしたんだ、ここまで綺麗にことが運ぶとは、俺も予測していなかったし、驚いている。だがまあこれで、リルへの借りは返すことができた。


「何してるのよこの駄龍!貴方のせいで負けてしまったではないの!こんな弱い龍、わたくしには必要ありませんわ!」


青龍を顔からどかして立ち上がると、エリウスは青龍に罵声をあげている。ちょっと悪いことしちまったかな。でもまあ、こうでもしなきゃこっちが負けてたんだ、勝負なんだから仕方ない。


『……よくも』


突然、何か声が聞こえた気がした。


『よくも……裏切ってくれたなああああ‼』


青龍の叫び声がこだましたかと思うと、俺に向かって水圧砲を口から撃ち出してきた。


突然のことに、回避もできずに直撃をくらう。

『がはっ……』


少し侮っていたのかもしれない。予想を遥かに凌駕する水圧で、後ろにある木まで吹き飛ばされる。


『こ、のやろ……いきなり何しやがる!』


『それはこちらの台詞だ、銀トカゲ。お前のせいで俺のメンツが丸潰れだ。まさかこれだけで済むとは思うなよ』


そう言って、青龍が口を開ける。今度は不意をつかれた訳でもないから避けることができた。


だが、避けた先に、既に青龍が水圧砲を撃ち込まんとしていた。急いで羽根を広げて避けようとするが、わずかに遅かった。水圧砲をくらい、また後方に吹き飛ばされる。


『どうした?攻撃してこないのか』


青龍がそんなことを言いながら、挑発してくる。言われなくても、攻撃手段をずっと考えている。


だが、全く案が浮かばないのだ。避け続けようにも、相手の水圧砲のが速く、避けきることは困難だ。俺にも水圧砲みたいなのがあればいいんだが、あいにく銀龍の使う技なんて知らない。まあ、知っていたところで使えるとは限らないが。


とりあえず、水圧砲を受けないほど近距離まで近付くしかない。


急にその場で飛び上がると、蛇行しながら青龍の元へと近づく。そのまま背中の方に回り込むと、羽根を折りたたんで、急降下する。これが当たれば結構なダメージを与えられるだろう。できる限り空気抵抗を起こさないように努めて、降下する。


直後、青龍が羽根を広げずに、飛び上がってきた。水圧砲を地面にぶつけて飛んでいるらしい、、急降下してる俺に負けず劣らずの速度で向かってくる。


避けるために、羽根を広げて急停止すると、ぶつかる直前になんとかかわすことに成功する。


安堵したのもつかの間。背中に水圧砲をくらって、なす術もなく地面に叩きつけられる。


畜生……うまく体が動かせねえ。その場でもがいているうちに、青龍の急降下の突進が直撃する。


『があああああ‼』


だめだ、最早動けそうにない。俺はその場に倒れたまま、最期を待つ。


『終わりだ、龍族の面汚し。あっけない最期だったな』


そう言って、青龍は口を開く。


人間として死んで、龍として生き返って。リルに連れ回されて。凄くあっけなかったな。たとえどんな種族に生まれようと、個の存在としての弱さを覆すことはできないんだな。


色々なことを一度に思い出す。これが走馬灯ってやつか。それにしてもやけに薄っぺらい内容だな。ああそうか、俺、この世界に来て数時間しか生きてないんだもんな。記憶なんかなくて当然か。


覚悟を決めて、目を瞑る。


たった数時間だけだったけど、龍として生きられた時間案外楽しかったな。人間として生まれるくらいならまた龍として生まれてきたい。そう思えた龍生だった---




その思考は最期まで行くことはなく。体に衝撃が走り、意識を失った。


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