表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白龍転生劇  作者: 蓮羽
一章
75/124

幕間:過去回想陸

「それで、どうやるってんだ?」


城の廊下を全速力で駆けながら、龍神が聞いてくる。


「君の能力を調べさせてもらったんだけど、君の能力で人の赤子になり、僕の能力で先代と同じ子宮の中に送り、世界の記憶を捏造する。理にはかなってると思うよ」


「思うよ、って……かなり心配だぞそれ」


ため息まじりに言う。まあ確かに、この短時間で考えた案だ。多少の穴があっても仕方ないかもしれない。でも、これを試せる期間がいつ、どのくらいあるかわからない。なら善は急げ、一刻も早く試すべきだろう。


「じゃあ、ちょっと待ってて」


目的地に着くなりそう言うと、ドアを開けて中へと入る。


「はーい、ヘルメスさんですよー。伝令のお仕事かな?長期滞在届かな?それともプライベートな用事?確かに君は可愛いけどちょっと若すぎるかなー」


な、なんだこの人……ノリについていけない。

「チビじゃないですよ!ってそうじゃない、長期滞在届を発行したいんですけど」


要件を伝えると、明らかにつまらなそうな顔をする。そして、机の下から羊皮紙とペンを取り出すと、何か書き始める。


「じゃー、滞在期間と行き先教えて」


「えっと、地球に三日ほどですかね」


露骨にテンション下がってるなこの人……どちらにせよ冗談に付き合ってる時間はない。心の中で軽く謝っておく。


「はい、これと一緒に身分証も持ってないと駄目だからねー。そんじゃ、いい旅を」


要件を伝え終わると、出てってくれと言わんばかりにそっぽを向いてしまった。まあ届け出を貰えたし、まあいいか。軽く会釈をして、部屋をあとにする。


「よし、じゃあ次はアテナ様のところに行こう」


「もう、出発するのか?身分証は持ったんだろうな?」


聞かれ、髪に付けている花柄の髪飾りを見せつける。一概に身分証と言っても、カード型に限らず装飾品などでも身分証として使えるのだ。それを見て小さく乗れ、と告げられ、言う通りにすると龍神が走り出した。


いきなりで振り落とされそうになったが、なんとか体制を立て直す。この体では出せない速度で、 凄く爽快感があったが、何より懐かしい感じがした。


「着いたぞ」


束の間の娯楽が終わり、アテナ様のいる部屋の前に着く。


「すみません、アテナ様。転移をお願いしたいのですが」


すると、勝手にドアが開く。龍神と顔を見合わせるが、これを入れ、の意とみなし、中へと入る。直後、どこからともなく声が聞こえてきた。


「いらっしゃい。申し訳ないんだけど私は今戦争に出ていていないの。悪いけど、出直すか、お父さんのところに行って頂戴」


神王様か……理由を聞かれなければいいけど。変に勘付かれても困るけど、ここは博打を打つしかない。


「神王様のところに向かうよ」


そう言って、龍神にまたがる。


龍神は何か言いたそうに口を開くが、すぐ口を閉じると、神王の間に向かって走り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ