十五幕:父子雑談
少しやろう、と思っていることがあるので、数日間短い文になるかもです。
ここら辺の文章は後に時間が空いたら、多少改訂する予定です。
お父さんがドラゴンライダーやっていたのは知っているが、アルスがいなくなって、ドラゴンライダーは辞める、みたいなことを言っていたのに。なぜドラゴンライダーを続けているのだろう。
「それで、何しに来たんだ?」
二度目、ライネックが聞いてくる。こちらの質問は後でいいか、とりあえず答える。
「村で、この子……あ、やっと私の龍が生まれたんだ。で、この子に村の造りを教えるために散歩してたんだけど、その途中にエリナの青龍がいなくなって、代わりに一枚の置き手紙が---エリナ、ちょっと貸して」
エリナに頼んで、懐に入れていた紙を受け取り、ライネックに渡す。
ライネックはそれを隅々まで確認すると、突然青ざめた顔をして、紙を返してきた。
「君は……カタルトス家の子だよな?二人とも、今日はここに泊まれ。そして明日朝一で村に帰るんだ。誓って青龍は龍騎士団が保護し、君に届けよう。だから、この件には首を突っ込まないように。わかったか?」
きつくそう言うと、龍に乗るように促す。言われるがままに龍にまたがると、手綱を操り、飛翔する。
「わああ……ピィに飛んでもらう時と違って、こうも大きい龍だと安心感があるね〜」
「さっきは至極危なっかしくて、ひやひやしましたわ」
顔を見合わせて、冗談まじりに話している。すると、前から信じられない、という声が聞こえてきた。
「リル、お前、そんな生まれたての龍に飛ばせているのか⁉いいか、龍ってのはな、体の成長とともに、飛行能力も成長していくんだ。こんな小さい頃から飛ばせていたら、もっと飛べるものも飛べなくなる。しかも、人二人を抱えるだなんて、なおさらだ。こんなことを続けていると、将来その龍は飛べなくなるぞ」
「えっ」
それを聞いた途端、リルの顔は目に見えて青ざめた。
「そう、だったんだ……私、そんなことも知らないで……ごめんね、ピィ」
そう言って、ピィの頭を優しく撫でる。
「まあ分かればいいさ。もうやらないように気をつければいいだけだしな。---と、そろそろ着くぞ。あれが城塞都市アルテアの中枢区域、アルテア城だ」
言われた方を向くと、あの崖の上から見えた、特徴的な凹凸屋根の城がもうすぐそこにあった。




