表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白龍転生劇  作者: 蓮羽
序章
14/124

十三幕:驚天動地

なんか気づいたら閲覧数1000超えてました、ありがとうございます!

エリウスが飛び込んで、一瞬何が起きたのか理解できなかった。


「ピ、ピィ!助けにいって‼」


リルの叫び声ではっとすると、エリウスを追いかけて崖を降りる。エリウスは落下している中でも全く臆すことなく、要塞をしっかりと見つめている。昨日はこんな龍必要ないとか言ってたくせに。大事にされてるんだな。


だからこそ、こんなところで死んでもらっちゃ困る。青龍のため、となると不本意だが、さすがに可哀想だしな。


羽根を折りたたんで空気抵抗を減らし、落下速度を上げ、エリウスの肩を掴むと、崖の上へと飛び上がった。


全く、昨日の敵を助けることになるとは。昨日の敵は今日の友とか言うけど、忠実に再現しすぎだろ。




崖の上に戻ってから。正座をするエリウスと、上から説教をするリルの絵があった。なかなかお目にかかれないぞこんな光景。


「それで、なにも心当たりないの?何か恨みを買うようなことをした、とか」


「昔、わたくしの祖父が悪龍製造に手を出したことがあって……悪龍騒動、と言えばわかるかしら、あの事件の首謀者だから、周囲から恨まれてるのかも……」


悪龍騒動?なんかそんな感じのことつい最近聞いたような。と、リルの体が震えていることに気付く。リルは俺を抱え上げると、ゆっくりとした口調で俺の謎を解決した。


「悪龍騒動は、アルス……私のお父さんが使役してた赤龍が失踪した事件なの」




リルが告白した瞬間、エリウスは虚を衝かれたような顔を見せた。


「そう、だったの。……本当、ごめんなさい」


「なんで謝るの?やったのはエリウスのおじいさんなんでしょ?エリウスは悪くないよ。それに、謝られてアルスが戻ってくるわけでもないし」


そう言って、遠い目をする。


「これはわたくしの問題、あなた方に迷惑をかけるわけにはいきません。村までは案内しますが、城塞都市までは一人で行きます」


急にエリウスは立ち上がると、元来た道を歩き出す。


「待って。あの城塞都市は龍のためにできたと言っても過言ではない。そんなところに、龍を連れずに人っ子ひとりで行くつもり?」


「え、ええ。わたくしは今、龍がいませんもの」


振り返ることなくそう答えると、また歩き出す。


「なら、私もついて行く。駄目と言われようと、なんと言われようとも、勝手について行くから」


エリウスの足が止まる。その足が心なしか、かすかに震えていた。


目の当たりを袖で拭うと、満面の笑みでこちらに振り返った。


「仕方ないわね!それならこのわたくし、エリウス・リナ・カタルトスについていらっしゃい!」


あ、こいつ名前長いな。略してエリナでいいか。


「エリウスちゃんの名前初めて聞いた。……略してエリナ、でいいかな?」


最近、リルと感性が似てる気がしてならない。


結局、エリウスのあだ名はエリナで固定されることとなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ