迷える子羊たち
「ジェイムズ、ループ、帰ったぞ。」
神谷が木の扉を開け、ゆっくりと椅子に座った。
その後ろに続いてジェイムズが息を荒げながら続く。
「神谷早いよ〜。あとを追うので精一杯だ。あー、疲れた。」
ループが二人の前にホットコーヒーを持ってきた。
「神谷はブラックでミッシェルはミルク入りだよね。」
「サンキューな。」
「ありがとループ。」
神谷は半分ぐらい飲んで話をし始めた。
「目標のダビデ研究所だが偵察に気づかれたから潜入は難しいと思われる。ほかに何人か俺達と同じシックスセンス持ちがいると思われる。人数は不明。しかしミッシェルのハイドが見破られたからそれなり者だと思われる。」
ジェイムズは溜め息をついた。
「ミッシェル、お前何やってるんだよ。あれだけ慎重にやれって言ったのに。」
「ただの研究所だと思って油断してたんだよ。次は失敗しない。」
ループが面白おかしくちゃかす。
「次があればいいけどねー。今回のミッションで死ぬなよー。弱虫ミッシェル。」
「うるさいぞループ。今から俺が考えた作戦を教えてあげるだから。」
ミッション以外のメンバーはしかたないといった感じでミッションの話を聞きはじめた。
「まず外の警備員だがこいつらはただの素人だ、用心する必要もない。だが研究所内の関係者には気をつけろ。それはさっき言った警備員でもだ。なるべく慎重に行動すべきだ。まず俺のシックスセンス、ハイドでみんなの存在感を薄くし、研究所関係者と偽って潜入する。次にループのシックスセンス、コンフェッションで目標の位置、最終確認をする。目標の捕獲、抹殺は神谷のシックスセンス、ナイトメアで頼む。ジェイムズはシックスセンス、セルベイで後方支援、脱出経路の確保、俺達の指揮を頼む。」
ジェイムズが紅茶を飲んでこの作戦に意見をだした。
「目標は捕獲と抹殺とあるが目標はどんなやつだ。人間か?キマイラか?現代の科学技術だからなどんなやつが出ても驚きはしないがある程度は知っておきたいだが。」
「そのことについてだがオーナーからは何も聞いてない。あ、俺は聞いたんだがあっちが教えてくれなかったという意味だからな。」
メンバー4人はそれから黙りってしまった。
その中で神谷だけが一人口を開いた。
「どうせ目標を殺るのは俺だ。そんな心配するな。取り合えず俺達の存在の罪っていうのを償いにいこうぜ。」
ジェイムズが賛同するように声をあげた。
「そうだな、神谷の言う通りだ。」
その言葉にループとミッションもうなずいた。
「じゃあ、明日の21時30分に出発だ。」