【超能力】星の子どもたち
世界が終わろうとしていた。
空には黒い雲が広がり、太陽の光を遮っている。
気温は下がり続け、植物は枯れ、動物は死んでいく。
科学者たちは原因を突き止めた。
地球の核が冷え始めている。
このままでは、地球は凍りつく。
人類は滅亡する。
だが、希望はまだあった。
世界各地に、特別な力を持つ子どもたちがいた。
彼らは「星の子」と呼ばれている。
生まれつき超能力を持っている子どもたちだ。
科学者たちは、星の子たちの力を使えば、地球を救えるかもしれないと考えた。
そして、世界中から星の子を集めた。
集められた子どもたちは、七人。
年齢は五歳から十歳。
それぞれが異なる能力を持っている。
一人目は、ユウ。七歳の男の子。
能力は「念動力」。
物を動かすことができる。
小さな石から、大きな岩まで。
ユウは元気で明るい子だった。
二人目は、リン。六歳の女の子。
能力は「治癒」。
傷を治すことができる。
動物も人も。
リンは優しく、いつも笑顔だった。
三人目は、ケン。八歳の男の子。
能力は「透視」。
壁の向こうや、遠くのものを見ることができる。
ケンは冷静で、頭がいい子だった。
四人目は、アイ。五歳の女の子。
能力は「予知」。
未来の出来事を見ることができる。
だが、アイはまだ幼く、能力をうまく使えなかった。
五人目は、タク。十歳の男の子。
能力は「炎」。
手から炎を出すことができる。
タクは少し乱暴だが、仲間思いだった。
六人目は、ミサ。九歳の女の子。
能力は「水」。
水を自在に操ることができる。
ミサは静かで、控えめな子だった。
七人目は、ソラ。七歳の男の子。
能力は「風」。
風を起こすことができる。
ソラは自由奔放で、いつも走り回っていた。
七人は、秘密基地に集められた。
基地は山の中にあり、周囲は森に囲まれている。
子どもたちは不安だった。
家族と離れ、知らない場所に連れてこられた。
だが、科学者たちは優しく接した。
特に、責任者のハルコ博士は、子どもたちを我が子のように扱った。
ハルコ博士は四十代の女性で、穏やかな声をしていた。
「みんな、怖がらなくていいのよ」
ハルコ博士は言った。
「ここでは、みんなの力を使って、世界を救うの」
「世界を救う?」
ユウが聞いた。
「そうよ。地球が冷たくなっているの。このままでは、みんな死んでしまう」
子どもたちは顔を見合わせた。
「でも、どうやって救うの?」
ケンが聞いた。
「それはこれから教えるわ」
ハルコ博士は微笑んだ。
訓練が始まった。
子どもたちは毎日、能力を鍛えた。
ユウは大きな岩を動かす練習をした。
リンは傷ついた動物を治した。
ケンは地図を使わずに、遠くの場所を探した。
アイは未来を見ようとしたが、うまくいかなかった。
タクは炎をコントロールする訓練をした。
ミサは水を形作った。
ソラは風を使って、紙飛行機を飛ばした。
子どもたちは少しずつ、仲良くなった。
最初は緊張していたが、一緒に遊び、笑い合ううちに、友達になった。
ユウとソラは、いつも追いかけっこをしていた。
リンとミサは、花を摘んで花冠を作った。
ケンとタクは、チェスをして遊んだ。
アイは、みんなの妹のように可愛がられた。
ある日、ハルコ博士が子どもたちを集めた。
「みんな、準備ができたわ」
「何の準備?」
ユウが聞いた。
「地球を救う準備よ」
ハルコ博士は大きな画面を見せた。
そこには、地球の断面図が映っていた。
「地球の核は、ここにあるの」
ハルコ博士は画面を指差した。
「核が冷えると、地球は死んでしまう。だから、核を温める必要があるの」
「どうやって?」
ケンが聞いた。
「みんなの力を合わせるのよ」
ハルコ博士は説明した。
「タクの炎で熱を作り、ミサの水で運び、ソラの風で循環させる。ユウの念動力で核に届け、リンの治癒で地球を癒す。ケンの透視で状況を確認し、アイの予知で危険を避ける」
子どもたちは驚いた。
「そんなことができるの?」
「できるわ。みんなならね」
ハルコ博士は優しく言った。
準備が整った。
子どもたちは、特別な部屋に入った。
部屋の中央には、大きな装置がある。
装置は、子どもたちの力を増幅し、地球の核に届ける仕組みだ。
子どもたちは装置の周りに座った。
ハルコ博士が言った。
「みんな、手を繋いで」
子どもたちは手を繋いだ。
「目を閉じて、自分の力を感じて」
子どもたちは目を閉じた。
心の中で、自分の力を呼び起こす。
ユウは念動力を。
リンは治癒を。
ケンは透視を。
アイは予知を。
タクは炎を。
ミサは水を。
ソラは風を。
七人の力が一つになった。
装置が光り始めた。
眩しい光が部屋を満たす。
そして、エネルギーが地球の核に向かって放たれた。
地球の核に、エネルギーが届いた。
核が温まり始める。
地球全体が反応した。
空の黒い雲が晴れ、太陽の光が差し込んだ。
気温が上がり始めた。
植物が芽吹き、動物が動き出した。
世界中の人々が空を見上げた。
そして、喜びの声を上げた。
だが、子どもたちは倒れていた。
力を使い果たしたのだ。
ハルコ博士は急いで駆け寄った。
「みんな! 大丈夫?」
子どもたちは目を開けた。
疲れた顔をしているが、笑っている。
「やったね」
ユウが言った。
「地球を救ったの?」
「そうよ」
ハルコ博士は涙を流した。
「みんなのおかげよ」
子どもたちは抱き合った。
そして、泣きながら笑った。
その後、地球は回復し始めた。
気候は安定し、生命は再び繁栄した。
子どもたちは英雄として称えられた。
だが、子どもたちは普通の生活に戻りたかった。
家族のもとへ。
ハルコ博士は、子どもたちを家に送り届けた。
別れの時、子どもたちは泣いた。
「また会える?」
リンが聞いた。
「もちろんよ」
ハルコ博士は微笑んだ。
「いつでも会いに来ていいのよ」
子どもたちは手を振った。
そして、それぞれの家に帰っていった。
ユウは、両親に抱きしめられた。
「よく頑張ったね」
父が言った。
「ありがとう、ユウ」
母が涙を流した。
ユウは微笑んだ。
「僕、世界を救ったんだ」
リンは、祖母の家に戻った。
祖母は優しく迎えてくれた。
「よく帰ってきたね」
リンは祖母に抱きついた。
「おばあちゃん、会いたかった」
「私もよ」
祖母は涙を拭いた。
ケンは、兄と再会した。
兄は誇らしげに言った。
「お前は凄いな」
ケンは照れくさそうに笑った。
「みんなで力を合わせたんだ」
アイは、母親に抱きしめられた。
母親は泣いていた。
「よく頑張ったわね」
アイは言った。
「ママ、もう怖くないよ」
タクは、父親と握手した。
父親は厳しい顔をしていたが、目は優しかった。
「よくやった」
タクは胸を張った。
ミサは、姉に迎えられた。
姉は微笑んでいた。
「お疲れ様」
ミサは姉の手を握った。
「ありがとう」
ソラは、祖父に抱きしめられた。
祖父は大きな声で笑った。
「さすが俺の孫だ!」
ソラも笑った。
それから数年が経った。
子どもたちは成長し、それぞれの道を歩んでいた。
だが、時々集まって、あの日のことを語り合った。
ある日、七人は再び基地に集まった。
ハルコ博士も元気だった。
「みんな、大きくなったわね」
「ハルコ先生も変わらないですね」
ユウが言った。
「ありがとう」
ハルコ博士は笑った。
七人は基地の庭に座った。
空を見上げる。
星が輝いている。
「あの時のこと、覚えてる?」
リンが言った。
「もちろん」
ケンが答えた。
「僕たち、世界を救ったんだ」
アイが言った。
「すごいことだよね」
タクが言った。
「でも、もっとすごいのは」
ミサが言った。
「みんなで力を合わせたこと」
ソラが言った。
「そうだね」
ユウが微笑んだ。
七人は手を繋いだ。
そして、空を見上げた。
彼らは星の子。
世界を救った英雄。
だが、何よりも大切なのは、彼らが友達だということ。
その絆は、どんな力よりも強い。
空には無数の星が輝いている。
その中の一つが、特に明るく光った。
まるで子どもたちを祝福しているかのように。
ユウが言った。
「あの星、僕たちのことを見てるのかな」
「きっとそうよ」
リンが答えた。
「僕たちは星の子だからね」
ケンが言った。
七人は笑った。
そして、また空を見上げた。
彼らの物語は終わらない。
これからも、彼らは生きていく。
それぞれの道を。
だが、いつでも繋がっている。
心で。
そして、もし世界が再び危機に瀕したら、彼らはまた立ち上がるだろう。
手を繋ぎ、力を合わせて。
なぜなら、彼らは星の子だから。
夜空の星が、優しく輝き続けている。
子どもたちの未来を照らすように。




