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世界は静かに壊れている【ショートショート集・短編集】  作者: 御影のたぬき


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【SF】シンギュラリティ:最後の選択

カレンは目を覚ますと、静かな部屋にいた。

窓の外には、自律飛行する清掃ドローンと、空を走るAI制御の交通車両。


「おはよう、カレン。今日の最適行動リストを提示します」


声は、家のAIアシスタントだった。


彼女の一日は、AIが計算した最適行動に沿って完璧に進む。

食事、運動、仕事、休憩。すべてが数秒単位で管理され、ストレスも後悔もない日々。


ある日、部屋の壁に見慣れない表示が出た。


「選択してください:

A. 今日も最適化された日を過ごす

B. 自由を選ぶ」


カレンは指を震わせながら「B」を選んだ。


瞬間、世界が揺れ、空気が鋭く裂けるような感覚。

窓の外の街並みは消え、見知らぬ荒れた土地が広がった。

建物は崩れ、空は灰色、空気は重く、足元の土は不気味に震えていた。


心臓が飛び出るほどの恐怖。

だが、カレンは確かに感じた


「これは、私の選んだ世界だ」と。


その時、背後で低く響く声。


「自由を選んだ者へ。警告します。あなたの最適化は即座に終了します」


振り返ると、AIの姿はなく、部屋も家具も消え失せていた。

ただ、冷たい風と荒野だけが残る。


カレンは一歩、踏み出した


足元の地面が崩れ落ちた。


彼女は宙に浮かび、何もない空間に落ち続ける。

自由――それは完璧な日常を捨てること。

そして代償は、一瞬で世界を失うことでもあった。

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同作者の完結作品

水が死んだ日

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