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エッセイ

利殖方法に関するエッセイ

1.

今から、ちょうど10年前のことである。


わたしが「個人向け国債10年」というと、女性行員は国債が元本保証でないと言い張った。


「それが説明できますか?」とわたしは質した。


その女性行員は、

「ちょっと待ってください」といい、何度も奥に引っ込んだ。


「証券会社のようにはできませんよ」と言い訳する。


2.

では、個人向け国債は本当に元本保証でないのだろうか?


その点をまず詳しく考察したい。


銀行預金は、いくらでも銀行が保証している。


ゆうちょ銀行は、預入限度額が通常貯金1300万円、定期性貯金の合計2600万円までしか預けられない。

(それは政令で決まっている)


ゆうちょ銀行も銀行保証が全額で、ペイオフは1千万円であることは同じだが、政府が株式の大半を保有しているので、全額保証してるのと同じである。

(ただし、今後は株を放出する可能性はある)


銀行が破綻したら政府が払い戻すので、それを「ペイオフ」という。


個人向け国債は、全額日本政府の保証である。


ただし、日本が北朝鮮の核ミサイルで攻撃されて、日本政府自体がなくなった場合は確かに日本政府は保証できない。


こういうリスクを「カントリーリスク」といい、日本政府は信用度が高い方である。


つまり、この女性行員はカントリーリスクがあるということを上司に吹き込まれ、個人向け国債は元本保証でないと言い張ったのである。


1千万円までしか政府保証がない銀行預金よりも、全額政府保証の個人向け国債のほうが安全に決まっている。


ただし、利付国債は相場によって変動するので、中途で売却すると時価で売却することになるので、元本保証とは言い難い。


国債でも投資家と呼ばれるのは、そのためである。


なお個人向け国債は、最初の頃は中途売却するときに、前の2回分の利息を税引き前の金額を取っていたので、マル優でない限り、税金の分だけ元本割れになった時期があった。


今はそういうことがないように、中途売却するときは税引き後の手数料を取ることになり、元本割れは絶対にしないように変更された。


3.

なお銀行が国債の取扱いを開始したのは、昭和58年であり、それを「国債の窓販」という。


当時は長期国債の利回りが8%を超えたので、1千万円国債を買えば、年に80万円の利息が支払われた。


銀行協会の会長が、「これでは証券会社に負ける」と当時の大蔵省に泣きついて、認められた。


「国債定期口座」を三菱銀行が始めたのが日本経済新聞にでっかくのり、「国債信託口座」や「国債割引債口座」、「国債公社債投信口座」など銀行と証券会社が自社商品と組み合わせた商品を開発した。


銀行が投資信託を扱いを認可されたのは、平成10年である。


元本割れするような商品を銀行が扱うのに批判があったが、手数料の高い投資信託を認めたからこそ、銀行の破綻はかなり避けられた。


合併は多いが、破綻は意外に少ないなと不思議に思った人もいるであろう。


「女性活用失敗銀行」とは、最初に述べた銀行のことであり、警備員を二人も雇って顧客に悪い印象を与えていた。


警備員は客をバカにして威張っていた。


「わたしが、わかった。わかった」というと根に持ち、わたしが窓口にいるときに、後ろに立っていたほどである。


わたしは警備員を振り返って睨みつけた。


彼らは目を逸らせた。


「国債は元本保証じゃないから、投資信託にしろ」とか、

「解約不能の定期預金にしろ」と言えば、客が怒ってトラブルになるのが、一部の社員にはわかっていた。


その信託銀行は、国債の満期の3年も前に女が電話をかけてきて、その女は国債を扱ってることを知らなかった。


このような無駄な女を数合わせのためだけに雇うような銀行だから、「女性活用失敗銀行」というネーミングを思いついたのである。


実際にその支店は短期間に2回も移転し、業務を縮小し、ATMも1台しかなくなった。


4.

では、何がお勧めか?


「個人向け国債」は1年間、売却できないし、1年以上経ってすぐに売却すると、前の2回分の利息(つまり1年分)を手数料として引かれてしまうので、やはり2年以上は預けるべきである。


「個人向け国債」には10年もの、5年もの、3年ものがあるが、10年物は変動金利で、5年ものと、3年ものは固定金利である。


同じように、1年間は売却できず、売却すると直前の2回分の利息を差し引かれることに変わりはない。


5年物に5年預ければ、3年物に3年預ければ、もちろん手数料はかからない。


10年物は変動なので、相場観の問題である。


相場観は日銀がマイナス金利をやめたとか、異次元の緩和をやめたとか、どの程度に金利の目標を定めるかを観察して、自分で考えるしかない。


また財務省のHPに、今までの個人向け国債の金利が銘柄ごとに半年区切りで明記されている。


10年物は、指標銘柄の市場利回りに0.66%をかけて、半年ごとに変更される。


最低でも0.05%は保証されている。


金利が上がれば、たとえ5年で売却して手数料を取られても、5年物にちょうど5年預けた場合より、有利になることもあり得る。


5.

このような相場観は、銀行の定期預金にも通用する。


3年物に3年間預けるより、1年物に自動継続で3年預けたほうが今ならまず有利になるとみてよいと、わたしは思う。


去年より今年のほうが1年物も3年物も金利が倍くらいになっているのに気がついてる人も多いと思う。


つまり去年3年物に預けた人は、それが3年続いてしまうが、1年物にした人は、2年目にもう金利が倍になった。


ではネット銀行はどうであろうか?


これはフィッシング詐欺がますます増えているので、わたしはやっていない。


完全に郵送だけでできるのに、大阪商工信用金庫の「毎度おおきに定期」とあすか信用組合の「メールオーダー定期」がある。


この両者共、100万円以上から申し込み可能である。


そういう意味では、1万円から申し込み、解約可能な個人向け国債より小回りがきかない。


信用金庫には信金ネットというのがあり、平日の営業時間なら他の信用金庫のATMが手数料なしで使える。


あすか信用組合は、セブンイレブンのATMが手数料なしで使える。


ただし、普通預金だけの出し入れはできないし、通帳もない。


この2つの金融機関は、普通預金の残高が年に2回くらい送られてくるので、利息が入ったなと思ったら、信金ネットかセブンイレブンで下ろせばいいのである。


横浜幸銀信用組合は、用紙を自分のパソコンで出さなければならないので、完全に郵送だけとは言えない。


6.

なお銀行定期は中途解約にも注意が必要である。


最初に述べた女性活用失敗銀行の定期は中途解約できない。


それをあたかも普通のようにいったが、それは嘘である。


普通は半年未満なら、普通預金と同じで、6ヶ月以上1年未満なら、金利が半分になることが多い。


個人向け国債は1年以上なら、前2回にもらった利息は手数料として取られるが、それ以降の利息は決まった利息が日割りでつく。


個人向け国債と1年定期自動継続との比較では、定期預金を半年以内に解約するかどうか、解約のタイミングにも影響してくる。


個人向け国債が1年以内に解約できるのは、本人が死んだ場合や大災害にあった場合だけである。



これを書いたのは去年の9月です。ムーンライトに書いておきました。今、調べたらゆうちょ銀行は2月9日以降に通常貯金の利上げをするそうです。わたしは自動継続でない1年定期貯金ももっており、それが1月に満期になりますが、証書の書き換えは先送りします。この先送りも有利になるかどうかは一概に言えません。定期貯金は満期になったあとは、通常貯金の利息がつきますし、大幅に利上げが期待できるなら、1ヶ月程度の先送りは有利になると判断しました。

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