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對・玄武戰(2ラウンドめ)

〈神の子も風邪引くか知ら冬の雨 涙次〉



(前回參照。)



【ⅰ】


「ヂヤ次、玄武行ケ」-孟悟仁は自分の式神コレクションの中から玄武を繰り出して來た。地上戰、と云ふ事で、カンテラ軍は白虎の出番である。玄武は四神の内では、北を司る神獸。巨大な龜である。それに對し白虎は西。こちらはご存知の通り、銀毛の猛虎。こゝで特筆すべきは、玄武の防御の堅さ。と云ふか甲羅に首・手足を隠した玄武は、まるで一箇の岩石であつた。まさに「玄武岩」。のつけから白虎は攻め倦ねる。何せ白虎の鋭い牙・爪を以てしても、堅固な甲羅に阻まれ、何処から攻めたら良いかゞ分からない。



【ⅱ】


「があお」(濟ミマセンかんサン。僕今回ハ役立タズナヤウデス)-早くも弱音の白虎。カンテラ、「俺にいゝ案がある。白虎、* 合力しやう。お前、今眠れるか?」知つての通り、白虎が眠つた狀態でしか、カンテラ・白虎の合力は果たせない。「があお」(闘ヒノ最中ニ眠ルナンテ...)-と白虎が云ふので、カンテラは彼に催眠術を掛けた。剣を拔き、白虎の頭上に振り翳す。「眠れ、白虎よ!」-白虎は術に掛かり、事もあらうに戰場で眠りこけた。彼のプライドが許すかはさて置き。Turbo!! Charged by 白虎 influence!!- カンテラの呪文に依り、兩者は合力した。



* 前シリーズ第73話參照。



【ⅲ】


カンテラは拔刀した儘、玄武に向かひ合つた。そして、兜割りの要領で、玄武の固い甲羅を叩き割つた。「しええええええいつ!!」。すると、中から人間の姿をした者が出て來た。玄武の精である。「外界ハ久シ振リヂヤ」-さう云ふ「精」は、流石北方の産らしく、口からブリザードを吐き、攻撃して來た。



※※※※


〈きつきつの501をえいやつと穿けば氣持ちも引き締まるかな 平手みき〉



【ⅳ】


カンテラは、「精」のブリザード攻撃を、白虎のスピードを借りて、猛スピードで動き回り、攪乱した。と、ブリザードが間違つて遷姫に命中してしまつた。孟に助け起こされ、辛うじて一命を取り留めた遷姫。テオが叫ぶ-「やつぱり【魔】だ(前々回參照)。この遷ちやんは贋物だ。本物だつたら、とつくに命を落としてゐる!」-孟の隙を突き、贋遷姫は速やかにじろさんに捕縛された。本物の遷姫は中國は淸代、浙江省の* 邑の自警團に護られ、午睡の最中。孟「グヌゝ、妻ヲ拉致サレルトハ何タル恥辱!」-即座に「精」は姿を晦ませた。処刑が怖かつたのである。



* 前シリーズ第93話參照。



【ⅴ】


カンテラ「やうやく闘ひの目星が付いて來た」... この長い一日の終焉が見えて來た譯である。「今回ハ俺ノ負ケダ。認メタクハナイガ」-孟、「次ハ朱雀ダ。コノ闘ヒヲ落トス譯ニハ行カヌ。心シテカゝルノダ!」-朱雀は大空髙く舞ひ上がつて行つた。



【ⅵ】


次回は空中戰である。「龍」(靑龍)vs.朱雀。お樂しみに。それぢやまた。



※※※※


〈墓の下冷えつ歌へる雨降れと 涙次〉



おまけ

〈一人ぼつちの納會〉此井晩秋


長かつた一年に

やうやく目星が付いた

私はカップベンダーの珈琲に

ミルク・砂糖「有り有り」の刑を處する

私の身代はりになつてくれ

と云ふ譯である

がぶり、とひと口

熱い

ブリザードのやうだつた

人間関係を棄てゝ

私はネクタイを緩める

煙草-

くしやくしやになつた奴を一本

また肺腑を虐めて

席を立ち、その儘誰もゐないオフィスを

周遊する

【魔】退治

浪漫の有る仕事だと

カンテラは云ふ

【魔】一匹殺めてなんぼ

千金の価値ある生命

だが、その生命は

【魔】一匹のもの

たかゞ、と云ふには

捻り潰すのに苦勞するが...

私は銜へ煙草でオフィスを後にする

家路

の樂しからん事を

私はカンテラの誘ひは

断らないだらう

官僚と云つたつて

だうせうだつは上がらぬ

齒車の一つ

大枚5千萬圓の価値が

我が身にあらん事を

そして貴方にも良き年を-

またしてもと云ふ

事なき事を。


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