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第13話 ボクの道を照らす者。

こんばんわ。

いつも読んでくださりありがとうございます。

寝る前の物語りのお供として話を綴らせていただきます。

それでは、ぼちぼち冒険の一歩目と参りましょうか。


行ってらっしゃいませ〜♪



 ここの周りには何があるのか、心を通わせる事のできるような生物はいるのか、暗くなる前にどうにか散策しておきたい。


 うぅ、こんな時に誰かこの地を知っている幽霊のヒト居ないだろうか…

今まで呪っていた自分の霊感を頼ることになるなんて本当に思ってもいなかった。


 宛もない、地形も分からない、唯一はっきりしている物がサバイバルキットにあった方位磁針の指し示す方位…コレだってこっちの世界では適しているのか分からない。


「南に行きたいな。根拠はないけれど、寒いよりは暖かい方が好きだし、きっと食べ物だってあるはずだ」


一応クラマに上空から地形を見てもらっているけど、何も行動しないわけにはいかない。

などと思っていると…。



「もしもし、お嬢さん方?」

と呼ぶ声が聞こえる。ボクはもちろん狐鈴ちゃんも、和穂さんもキョロキョロと声の主を探す。


「こちらですよお嬢さん方」

と50cmくらいのピンク色したハリネズミのような動物が二足歩行で草をかき分けてこちらを見上げ話しかけてくる。


「ソナタはなんじゃ?ワチ等の言葉がわかるのかゃ?」


そのハリネズミのような生物はウンウンと頷きながら言う。

「精霊には決まった言葉がありません。思った感情が相手に伝わる手段になるので、直接頭に話しかけているような状態なのでしょうな」


こちらの世界で初めて交流したのは、まさかの精霊だった。

しかも、1番問題になりそうだった言葉の問題すらクリアしてきたのでビックリだ。


「さて、お嬢さん方の様な姿の方は未だかつて見た事がないのですが、この好奇心の塊のお爺に教えてもらっても構いませんかな?」

「そして、先程の天候の異常はきっと貴女方の魔法なのでありましょう?いやぁ、アレは凄いと感心しました…少しお話しをいいですかな?」


急ぐ旅ではないものの、今とりあえず自分達がどうするべきなのか相談にのってもらうことにした。


この精霊の名前は"ロディ"というらしい。

この草原に住む精霊の1人との事だが、突然見たことのない姿のボク達が現れ、晴れているのに雨を降らすという謎の現象を起こした事に興味を示して姿を現したとの事。


こちらの世界が日本との世界観が全く違うと思えたので合っているかは疑問ではあるが、RPGの世界観を当てはめて説明させてもらう事にした。


「実はボク達は日本という国に住んでいたのですが、上空を飛んでいるあの白いモンスターの魔法の誤作動よって強制的にこの国へ連れてこられてしまったんです。

しかし、あの子を含めて一緒に来た誰もがこの国の事を知らないので途方に暮れていたのです。

この2人はボク達の国の神様の使い、おそらくコチラの国でいう天使や精霊です。神様の力を借りて行う魔法を神通力というのですが、こちらでもボク達の国の神様との繋がりが残されているのかを確認する為に先ほど試していました」


「はて…?ニホン?知らないお国ですな、その様な方々とお会いして、お爺としては嬉しく、興味深く思いますぞ。それにしても神様の使いと言われて、先程の現象が逆にしっくりとしましたぞ。」

ウンウンと頷く。


「のぉ、アキラ、もんすたぁって何じゃ?魔法って何じゃ?」

頭に『?』を浮かべた2人を置き去りにしない様に説明をする。

「モンスターは妖怪のこと、魔法は妖術のことと置き換えると良いかもね」

「ほぅほぅ、アキラは物知りじゃな」

感心感心と頷く。


「なるほど、その様な神様の使いであるお2人とあなたのご関係をお聞きしても?」


「ボクは普通の人間です。でも、ボクの国では誰もが精霊を見ることができるわけではなく、たまたま見る事ができる体質で、共通の出来事に遭遇したんです。」

そして、ついさっきここに飛ばされてしまったというコチラの事情を伝えると、ロディは親身に受け止めてくれる。


「ふむふむ、なるほど…するとこの国の事や言葉、生きていくための手段の分からない…そう、赤子同然の身という事ですな」

ふと、顔を上げこちらに視線を合わせる。

「恥ずかしながら、まったくをもってその通りなんです。本当にこの先どうして良いのか分からなくて、無謀にもとりあえず真っ直ぐ歩き始めたら何か変化あるかなって思っていたところなんですよね、誰かと合えば何か進展があるとか…」

頬をポリポリかきながら伝える

「ふむ………」

ロディはしばらく動きを止めて考えている。

クラマが上空より降りてくる。


「南と東の方に森が見えた。北は海?湖?で西は荒野が広がっている」

と簡単な情報をボク達に話す。


「おやおや、これはまた何というか、不思議な方でありますな、この方がお嬢さん方とこの国に来たというわけですな」

クラマがこちらに声を掛けている様子ですら、物珍しいと思ったようでウンウンと頷き納得している様子。

クラマが不思議そうに首を傾げていたので、ロディを紹介する。


「事情は分かりました。しかし、人の住む場所までは離れておりますので、これからあちらの森に向かったところに住む、魔女を紹介させてもらいます。彼女ならば皆さんの力になってくれると思います」

と東の方向を指す。指した先にも草原は続く…。


しかし、旅として幸先の良いスタートがきれそうだ。

それも興味深々にこちらに近づいて来てくれたロディとの出会いのおかげだと、心から感謝をする。


これもきっと稲荷神様の御加護なのかな。




それからボク等はロディに付いて歩くのだが、思っていた以上に足が早いのだ。

向こうは会話をこちらに投げかけながら、ゆうゆうと散歩を楽しんでいるような雰囲気なのだか、こちらは競歩のように、時には置いて行かれまいと駆け足で、息も荒げながら目的の場所へと向かった。

伸びた草をかき分けながら、足を滑らせながら、ロディがピンク色でなければとっくに見失っていたかもしれない。


最初の場所では見渡す限り、草の伸びた草原だったのだが、数十分ロディを追いかけ、いよいよ森の入り口へと到着する。森の先に小道が伸びている。

「ぜぇ、ぜぇ…こ、ここが、そ…の魔女の住む…森の入口なのですか?」


ロディは一本の指を立て

「いえ…この森に魔女が住んでいるのではなく、ココなのですよ」

と、こちらへと伝える。

木の上を見上げると草原からは木々の葉で見えなかった…というか気がつく余裕がなかった、大きなツリーハウスが建っていた。


ロディが木の横に上から伸びているヒモをぐいっと引くと、乾いた木のぶつかる「カラコロカロ♪」と心地の良い音が聞こえて来る。


「はいょ!今手が離せないから、上がってきてー」

と木の上から声が聞こえる…。


ひと足先にクラマがツリーハウスの方まで飛んでいく。

ロディは木の後ろに周り手招きをする。

木の後ろには荒縄と木の板で作られた手作り感満載のハシゴがぶら下がっていた。

ロディは慣れた様にスルスルと登っていき、次にボク、狐鈴ちゃん、和穂さんの順で上がる。

登りきった先を右側から周ると先ほどいた草原が遠くまで見渡せる。

「すごい…絶景だ…」

ボクは思わずその景色に見惚れてしまった。


建物の中から何かをひっくり返したような大きな音がした後、先に家の中に入っていったロディが玄関から吹っ飛んでくる。

「でえぇーっ!!」

思わず叫びながら、何が起きたか分からないまま飛んできたロディを右腕でキャッチする。

「助かりました、死ぬかと思いましたです」

そうして、玄関が壊れる勢いで開かれ、水色のワンピースの女性が長い銀髪を振り乱しながらこちらへと駆け出してきた。




「あんた、日本から来たって本当っ!?」




魔女と呼ばれていた女性は信じられない物を見たという顔つきでボクへと顔を寄せ“日本語”で質問を投げかけてきた…。



お帰りなさいませ、お疲れ様でした。

今回はピンクのハリネズミのロディと、東の森の魔女が出てきました。

この物語りは作者が方向音痴のためあっちにフラフラこっちにウロウロしております。

コレに懲りずにお付き合い頂けるととても嬉しく思います。


文章の、誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

それではまたお会いできることを楽しみにしております。おやすみなさいませ〜♪

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