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無料案内サービス??


『憎悪値が一定値を越えました。

スキルNo.51-黒き恐怖 Lv.1-を取得しました。』


憎悪値?スキル?一体何のことだ?


まず何故、俺の脳内にダンディーなおじ様ボイスが流れるんだ?


もしかして、俺の脳は小さなダンディーなおじ様に寄生されているのか?それともゴキブリになったストレスでついに俺の頭おかしくなちゃった?


−ユッガッメェィル!−


『未確認事項が二件あります。

 ◯確認される場合は右前脚を

 ◯連絡を終了する場合は左前脚を

 ◯質問、意見がある場合は右触覚を

 ◯もう一度、聞く場合は左触覚を

 いずれかを上へと上げてください。』



うおーなんか電話の自動音声案内みたいなやつきたー(あと、ユッガッメェイルって通知オン何?)。

正直、めちゃくちゃに怪しいが今の何も分からない状態よりは状況が好転するかもしれん。ここは右触角を上げて、いろいろ質問してみることにしよう。


そう思った俺は自身の右触覚を上に上げようとした、、、 上げようとしたのだが、ここで俺は気づいた。


「ギッギギィギィギィ?(訳:触覚はどうやって動かすんだ?)」


ふん!ふん!


とりあえず心の中で掛け声をかけて触覚を動かそうと試みる。しかし、無情にも俺の触覚はピクリともせず体を前後に動かす振動でゆらゆらと揺れるだけだった。


ふーん!ふーん!ふがー!


さらに心の中の掛け声を強くする。すると右触角にわずかな反応が生まれた気がした(後に気づくが気のせいだった)。


行けると思った俺は全身の力を触角に込め力一杯に唸る。


「ギィーーーー!!!」


ーポッン!ー


よく振ったシャンパンのコルクが飛び出すような音が後方で鳴った。


あっ、、、これは、、、


俺は恐る恐る後ろを振り返る。するとそこには出来たてホヤホヤの俺のウンチが置かれていた。どうやら俺は力みすぎて脱糞してしまったらしい。


この俺がウンコ漏らし、、、いい大人にもなって、、、最悪だ、、、いや待てよ、、


幸か不幸か今の俺はゴキブリだから、どこでもウンコして良いわけであって、よくよく考えたらこれはウンコ漏らしでは無いよなぁ、、、


脱糞のショックから自分の行動を無理やり合理化しようと頭の中で言い訳を考える。そんな俺の思考を遮るようにダンディーボイスな通知オンが脳内に流れた。


ーウコンノチカラ‼︎ー


『特別コマンドを承認します。

 ◯ウンコ漏らしを無かったことにする場合は①を

 ◯10%の確率で人間に戻るが、90%の確率でウン  

  コになる場合は②を

 ◯自らのウンコを食べる事で言語発音スキルを強

  化する場合は③を

 いずれか好きなもの番号を念じてください。』



って、また何かよく分からない音声案内きたー!?俺なんかやったかな?やったといえばウンコくらいだけどそれが関係あるのか?

それよりも、ただでさえ意味のわからない状況なのに、こうも次から次へといろんなことが起こると頭の中がパンクしそうになるぞ。




とりあえず一度落ち着いて整理しよう。俺は謎の脳内音声に従い右触手を上げて質問をしようとした。しかし、それは失敗しウンコを漏らしてしまった。その直後に、またもや謎の脳内音声が流れて俺に選択をせまっている。


選択内容は確か、、①がウンコ漏らしを無かったことにすることだった。、、、もうこれに関しては俺から言うことはない。よくよく考えたら俺ゴキブリだし、、、ウンコ漏らし無かったことにした時点で何のメリットもない。これはナシだな。


その次の②はギャブルではあるが10%で人間に戻れる可能性がある選択肢だった。これに関してはかなり魅力的だ。90%でウンコになるという小学生が考えたようなバカな条件さえ無ければの話だがな!


もちろん、10%で人間に戻ることに賭けてみる価値はあると思う。しかし、ウンコになるというリスクを考えると俺の選択肢からは外れてしまう。なぜならば、ゴキブリの状態であれば自ら死を選ぶことはできるがウンコのまま意識が移れば自ら死ぬことすらできない状況になる可能性があるからだ。


ここでウンコに意識なんてねーよっと普通ならツッコむところかもしれないが今の俺の現状がその考えを否定する。それは、今俺がゴキブリという低地脳生物でありながら人間レベルの思考力を有しているからである。そのため、もしかしたらウンコになった時ですら俺は謎の力で思考力を保ち続ける可能性がある。その時は俺は考えるウンコとして手も足も出せず朽ち果てて存在が消えるのか、はたまた長い時間カピカピウンコとして存在し続けるかもしれない。少なくともカピカピウンコで存在し続けるのだけは避けなければならない。そのため、②も今のところはナシだ。


最後に③であるが、、、今のところだと一番メリットが大きいのが③の言語発音スキル強化だろう。なぜならば、今の今まで俺は「ギィ」としか発音出来なかった。そのため、他の人間とのコミュニケーションは絶望的だった。

しかし!この言語発音スキル強化を会得することで俺は喋れるようになり人間とのコミュニケーションができるようになるかもしれない。そうなれば助けを求めて安全にゴキブリから人間に戻る(②のようなバカが考えたような方法を選ばずにすむ)ことが出来るかもしれない。ここは③を選ぶべきだろう!



脳内音声案内が示した通りに俺は心の中で③の番号を強く念じた(というか番号念じるだけでいいんだったら最初からそうしてくれよ、、、)。



ーレッツ イート‼︎ー


『③が選ばれました。それでは言語発音スキルを習

得するため自らのフンをお食べください。』



「ギッ、、(訳:あっ、、)」



俺、③の条件忘れてた、、、

次回からゴキブリのステータス、スキルが明らかになるかも

あと、更新は仕事の関係上、約1週間後です。

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